Novel 1

□拍手
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「ねぇ、シェイド!!あたしに何か手伝うことない?」



「そうだな、じゃあ・・・そこの花に水やりをしてくれないか。」



「うん!!わかった!!」



水色の小さなジョウロに水をいれ、ピンク色の花に少しだけ水をたらす。

乾いた土が水を吸って、重そうな色に変わっていく。





「えへへ、やっぱりお花にお水やるのって楽しいな。」





ふわふわした笑顔でファインが花に笑いかける。

花びらからキラキラ光る滴が流れ落ちる。





「シェイド〜、お花の水やり終わったよ〜」





ジョウロの水が空っぽになった後、

シェイドがいる方向に体を振り向かせる。





「ああ。ありがとな。助かったよ。」





ファインの頭を優しくなで、ふわりと笑う。





体の体温が上がる。顔が真っ赤になり、心音が大きくなる。





「い・・いや!!そ・・そんな!!あたしたいした事してないよ!!」



体の温度があがり、声が通常より大きくなる。



「ファイン?」



シェイドが俯く、ファインの顔を覗き込む。

そして、やっとファインが自分のせいで体の温度を上げたことに気付いた。



「そ・・その、ごめん・・」



ファインから顔をそらし、腕で真っ赤になった顔を隠す。



ファインは、ずっと下を俯いたままシェイドから顔をそらす。





「あのね・・・!!あたし、シェイドの笑顔すっごい大好きだよ!!」



はにかんだ笑顔でシェイドを上目遣いで見上げる。

さらに、真っ赤になった顔で笑っているせいかいつも以上に可愛く見える。



「あっ、じゃあ!!あたし、レインのところに行かなくちゃ!!じゃあねシェイド!!」





静かに、温室のドアを閉め、手を振りながらファインは庭園の置く隅に消えてい負った。

ファインが見えなくなると、シェイドには地面に座り込む。





「あいつ、なんでそんな事言うんだよ・・・」





顔を腕で隠しながら、ポツリとシェイドは呟いた





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