Novel 1
□木の葉は舞う
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「遅いわね〜。ファインったら・・・いったいどうしたんだと思う?キュキュ。」
「キュ〜?」
レインが頬付けをつきながら、ノートを広げる。
キュキュも不思議そうな顔をしながら、廊下が見える窓をのぞきこんでいた。
ドアが開き、理科の先生が入ってくる。
「規ー律、礼! 着ー席!」
ついには、授業が始まった。
「いったい、ファインたらどうしたのかしらね。」
シフォンも不思議そうな顔をしながら、黒板の文字を書き写していた。
心配で、レインは机を指で一定のリズムでたたいていた。
乱暴にドアが開き、そこからピュピュが教室に飛び込んできた。
「ピュピュ!!いったいどうしたの!」
レインがあわてて、ピュピュに駆け寄る。
「ピュウ、ピュピュ!!ピュピュ〜!!」
涙ぐみながら、ピュピュがさっき見た状況を、体中を使って
レインとキュキュに説明した。
「えっ、なんですって!ファインが!?今、どこ!?」
「レイン!ファインがどうしたの!?」
ピュピュの言っていることが、分からないシフォンたちがレインに説明を求める。
「すごく、大きな木・・・?」
ガタッ!
イスが倒れる音が教室に響く。
誰もが、その音に反応して席に振り向いた。
その席は、シェイドの席だった。
開いたままのドアから、シェイドが飛び出した。
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