Novel 2
□ピンク色に染まる頬
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いままで、好きな人なんて出来たことなかった。
みんな友達だし、好きになるというのは分からなかった。
「そんなこと思ってるから、高校生になっても初恋なんて出来ないのかな」
てへへ、自分の独り言を笑ってごまかした。
あたらしく買って貰ったバッグを両手で持って、クルッと一周回る。
赤いリボンがふわふわと揺れている。
「えへへ、春ってなんでこんなに心が暖かくなるんだろう?」
ふにゃと顔を崩して笑う。
どこを見回しても、綺麗な桜の木が見える。
桜の花びらが風に揺られてゆっくりと落ちてきている。