Novel 2
□宝物はなんだろう A
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「あ、シェイドは後から来てね。今日、早退するって言っちゃったから」
後ろを振り返り、俺に少し笑いかけた。
多分、今の俺はとても複雑な顔をしているだろう。
「じゃあね、シェイド。また、教室で会いましょ。ファインじゃなくてレインとして・・・」
少し手を振ってファインは屋上の扉を開けて出て行った。
今のファインなら絶対にレインと間違われるだろう。
さすが、双子だな。声までレインそっくりだったし・・・
「多分、ファインが教室につく頃には授業も終ってるし、
俺もその後行こうかな・・・」
俺の一言が、誰もいない屋上に響いた。