Novel 2

□宝物はなんだろう @
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今日の、学校はいつも以上に騒がしかった。

ノーチェに騒がしい理由を聞くと、

どうやら昨日の放課後、レインがブライトのファンになにかされたらしい。



授業ギリギリに、ファインだけが登校してきた。

ファインは、レインに何があったのか知ってるのだろうか。



「ねぇ、ファイン…レインは大丈夫なの?」



シフォンが、控えめにレインの状態をファインに聞いていた。

ファインは下を俯きながら、悲しそうに口を開く。



「今は、落ち着いてるよ。ちゃんと傷の手当もしたから大丈夫だよ・・・。

 ところでさぁシフォン、レインにあんなことしたの誰かな。」



泣きそうな声が、急に強気な口調に変わる。

殺気というのだろうか、俺に向けられてる訳でもないのに体が震える。



「3年生・・の先輩が、やったって皆・・言ってたけど・・・」



シフォンの声が、明らかに震えていた。

多分、シフォンもファインの殺気に気づいたのだろう。



「そっか。ありがとうシフォン。」



体の震えが止まった。

ファインの、殺気が消えたからだ。



「ええっ・・・でも、どうしてなのファ「シフォン、あたしとシェイド早退するって先生に伝えといて。」



シフォンの言葉が途中で切れた。

ファインが、どんどん俺のほうに向かってきた。



「ねぇ、シェイド。早退するだよね。一緒に帰ろうよ。」



ファインは、笑っていた。でもそれは・・・笑顔とは、まったく違う笑い方だった。



「あ・・あ。」



震える体を押さえて立ち上がった。

ファインの手が俺の手をつかむと、すごい力で俺を引っ張ってきた。



「じゃあね!!みんな!!」



ファインは、走りながらほかのやつらに挨拶していた。

廊下に出ると、ファインは手をつないだまま俺を屋上まで引っ張った。

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