Novel 2
□狂ったのはあたし A
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ガラスが割れる音に驚いて何人かの生徒が悲鳴を上げる。
野次馬に混ざって、窓の外を見た。
昨日、倒した不良だった。しかも、昨日よりも30人近く増えていた。
ボスぽいヤツが、バイクに乗って、あたしのハンカチを上に挙げている。
「ファイン!!とかゆう赤い髪のアマぁ!!!
下に下りて来い!!昨日の借りを返してやるぅ!!!」
汚い声が、あたしの名前を呼ぶ。
あ、あのハンカチあたしの名前が書いてあるんだった・・・
周りの目があたしに注目する。
「ふぁ・・ファイン・・・」
泣きそうな声で、レインがあたしの名前を呼ぶ。
あたしは、レインの頭に手を置いて嘘笑いをした。
でも、レインは嘘笑いには気づかずにスカートを握り締める。
「シェイド、先生、絶対に誰も外に出しちゃだめだよ。
だって、まちがえて殺しちゃうかもしれないから。」
あたしは、いまから起きる楽しそうな事に顔が笑っていた。
「ブライトは、レインをよろしく。」
誰も、見たことがない。あたしにみんな唖然としていた。
「ファイン、あまりやりすぎるなよ。」
シェイドは、あたしの正体を知っている。
狂っているあたしを知っている。