Novel 2
□狂った僕と狂った彼女
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「ねぇ、ブライト」
草原に寝そべったファインが、僕に話しかける。
「なんだい、プリンセス・ファイン」
僕は、ファインの隣で草原に倒れた。
ふわふわと草が、揺らめいている。
草の匂いとファインの手の体温が、心地よい。
「授業・・・サボってよかったの?」
「キミと一緒にいられるなら、別にそんな事、興味はないよ」
ハハッ、ファインは照れた様子もなく。
心地よさそうに笑っていた。
「ねぇ、ブライト・・・あたし・・」
ファインが、僕の手を強く握り締めた。
僕は、それを握り返す。
「世界で一番ブライトのことが好き」
さらりとファインは愛の告白をした。
普通の子なら、照れていえないような事を。
僕は、ファインの上に馬乗りになり手首を押さえた。
ファインは、特にビックリした様子もなく怪しい笑みをしていた。
僕の唇をファインの唇に当てた。
フニッとやわらかくて、あったかいものが唇に当たる。
このまま、時間が止まってしまえばいいのに。
僕は、強くそう思った。