Novel 1
□君が好きだと思い知る
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なんと自分とは無縁なものだろうか・・・
手に持て余した仮面を指でなぞりながら形を沿って、ふぅ・・・と目をつむった
いつものパーティ用の髪型と違うから違和感がぬぐえなかったけど、今日は相手に自分の正体がバレないようにすることを楽しむパーティだとキャメロットに相当強く頭に叩き込まれたから我慢して片目にたれる前髪の毛先をつまみ鏡を見つめ直す
いつもは高く結ぶ髪も、今は下ろされ癖のついた部分はまっすぐに直されてなんだか落ち着かなかった
最初はわくわくしたんだけどなぁ・・・
どうみても見るからに不気味としか言えないこの仮面をもらった瞬間から
一気に気持ちが冷め、こんなのをたくさんつけた人たちが集まっていると考えただけでまるでお化け屋敷に入る時みたいに背中がゾッとした
何よりも一番ショックなのが、ダンスがメインのパーティなのでランチはちょっとしか出ないらしい・・・
考えても暗くなっていくだけの頭を振り、かちゃりと厚い仮面を顔に当てる
目元だけが隠れているため呼吸には不便はないのだが、やっぱり不気味としかいえなかった
・・・でも、せっかくのパーティなんだし・・・・楽しまなくちゃいけないよね!
いつものドレスと違うたくさんのフリルがついた黒いドレスは、肩と胸元が広く開いていて非常に動きやすく、そこだけは感謝しながら立ち上がる
時計の時間は9時を終わらせようと進んでいく
乾いた空気を飲み込み、いつもより少し高いヒールを履いて星を見上げた