Novel 1
□木の葉は舞う
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「うわわわわわ!どうしよ〜!授業遅れちゃうよ〜」
ファインは、涙声で誰もいない廊下を早歩きで、次の教室へ向かう。
今なら、マーチも教室にいるため原点もされないだろう。
「ピュ、ピュ〜」
この状況が、分かってないのか。
楽しそうな声を出しながら、ピュピュはファインの周りを飛び回っていた。
ガラン、ゴロン――――!!
授業の始まりの、ベルが鳴る。
あわわわと目を回しながら、ファインの血の気が引く。
「もう絶対、無理―――――!!」
ピクッと、ファインの耳にかすかな声が聞こえた。
走っていたファインの足元が止まり、緑の木が揺れているほうに目を向ける。
「ピュピュ〜?」
おかしく思ったピュピュは、ファインの顔を覗き込む。
ファインの目は、ひときわ大きな木に釘付けになっていた。
ピュピュがファインの釘付けになっている木を見上げる。
「ピュピュピュ、ピュウ〜〜〜!!!!」
驚いて、ピュピュが手をバタつかせた。
「ごめん、ピュピュ!多分、あたし一人で大丈夫だと思うけど・・・
一応、誰か呼んできて!」
持っていた教科書を放り出し、ファインは走り出した。
ファインとは、反対方向にピュピュは飛び急いだ。
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