Novel 1
□と ろ け る あ ま さ
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最近、運が悪い。
読みたかった本は、いつも図書室においてなく、やっと見つけたと思うと
気になるところでページが破かれていたり・・・
俺のちょっとしたミスでハーブを枯らしてしまったり・・・・
それに、アイツとも一週間近くしゃべっていない・・・
「はあ・・・」
見上げる空は、気が重くなるような灰色の雲が空を覆っている。
なんだか、この空の下を歩いていると肩が重くなってきた。
「きゃあああああ!!!ブライト様〜!」
突然の聞きなれた大声におもわず後ろを振り返る。
目の前を一瞬にして青いものが横切る。
なんだか、レインの声を聞いていると
一気に力を奪い取られた気がする。
「レイ〜ン!待ってよ〜!!」
少ししてから、アイツの声が耳に入る。
この声を聞いたのは何週間ぶりだろう。
心臓の音が高鳴る。息をしにくい。
「ファイ・・「レイ〜ン!!置いてかないでよ〜!!」
伸ばしたこの手はいったいどこに戻せばいいのだろう。
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