Novel 1
□砂糖みたいな甘い時
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カツカツカツカツカツカツ・・・・
「ねぇ〜ファイン。もう少し落ち着いたら?」
呆れたようにレインがため息をつき、温かい紅茶をのどに流し込む。
ファインは、廊下を進んでは体を反対に向け、また逆の方向に歩き出す。
カツカツカツカツカツカツ・・・・
ヒールの、足音が反響して余計に大きく音が聞こえる。
「だって、今日は・・・」
レインの反対側の席に座り、しばらく前にレインが入れてくれた紅茶が入ったカップを持ち上げ、
赤い顔を隠す。
「医師の試験でしょ。もう、何回も聞いたわよ。」
さらに呆れたように、レインが言い返す。
自分の大切な妹が自分と違い人間のことを思っていることに腹立てていた。
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