世界が終わるまできみがしあわせでありますように
□桜日和
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それは桜が咲く時期にしてはとても暑い日だった
練習に時間を忘れ、時計の針を見上げるともうすでに今日という日が終わっていた
学校あるのにファインの奴、起きられるか
楽器を片付けながら不意に浮かんだ疑問をすぐさま消す
これ以上考えると頭が溶けそうだ
たださえ熱いのに朝の憂鬱を考えると余計に体温が上がる気がした
楽器を片付け終わり、睡魔がだんだんと近づいてくるなか
ファインが「アイスが食べたい」などと騒ぎ始め、落ち着き始めた体温が二・三度あがった気がした
「駄目だ」と一言で切り捨ててもファインは引かずに食いついた。
ブライトが俺の加担をするわけなく二対一の状況で言い争いは続いた
結局、深夜にアイスを買いに出かけるなど、そうとう俺は甘いのだろう
深夜になって多少涼しくなったとはいえまだ暑かった
重いため息をつく俺に対してファインは自分の要望が叶い、
上機嫌で俺達の一歩先を歩いていた
小さな息を吐くと、薄く笑ったブライトと目が合った
「まぁ、いいじゃないか。あんなに嬉しそうなファインが見れるんだし」
嬉々としたブライトの表情にますます息が漏れる
深夜というのに二人は絶え間なくはしゃぎ、
それを遠目で見ながらたどり着いたコンビニにファインは嬉しそうに飛び込んだ