兎の冠

過去拍手
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「クロロ〜起きて〜」

私は、クロロの部屋を訪れていた。
パクに団長を起こしてきてくるよう頼まれたのだ。

「クロロってば〜!」

ゆさゆさと揺すってみても中々起きる気配がない。

そんなに疲れているのだろうか?

すると床に散らばった古書が目に入った。

原因はこれね・・・


クロロは本を読む事が好きだ。
常日頃から片手には本が握られているくらい。


・・・また、本を読んで徹夜でもしていたのだろう。

私は、クロロの顔を覗き込んだ。



息してない!?


だが、よくみると規則正しく胸が上下していたから、安心する。


こうやってみると、クロロはただの青年でとてもじゃないが、蜘蛛の団長なんかに見えない。

どこにでもいそうな青年、もしくは大人。
あ。何処にでもいないか、こんな美形は。


少し苦笑すると、私はそっとクロロの額にキスを落とした。

─これからもアナタは私達の頭─


無意識にした事でも、次第に恥ずかしくなって当初の目的も忘て部屋を飛び出してしまったミク。


ミクが去ったのを確認した後、クロロはムクッと起き上がった。

額に手を当て微笑した。

「クク・・・可愛いことをしてくれるな」




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