白昼夢

□白昼夢〜第一章〜
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―見渡す限りの草原。

空には白い鳥が二羽、空に羽ばたいている。


「ここ、ドコ?」


藍は一人、草原の真ん中に立っていた。





学校のチャイムの音。

友達とのたわいもない会話。

いつもと変わらない日常。



「ただいま…」


誰もいない家。

でも、寂しくはない。

だって慣れてしまえば、それは呼吸と同じくらい当たり前のものになってしまうから。

だけどね

ちょっとだけ、もっと違う生活を送ってみたい。

もっと特別な世界で楽しんでみたい。

そんな事があったらいいなって思うんだ。





「気持ちよかった」


お風呂から上がってわたしは髪も乾かさずベットに飛び込んだ。

プルルル…

電話がなった。

けどわたしは受話器を取らなかった。誰からかわかっていたから。

しばらくすると留守電に切り替わる。


《藍?もう寝たの?母さん一週間くらい家に帰らないから、よろしくね》


内容に反して、どうでもいいような口調が少し嫌だった。

大丈夫、これもいつもの事だから。

そう思ったらだんだん眠くなってきた。

まだ明日の準備してない。

けど、もう体が動きそうにないや。





落ちる落ちる夢の中

夢の中には何がある?

夢の中には新世界

誰も知らない夢物語



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