07/09の日記

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始まりシチュエーション@
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のわヒロ同級生パラレル設定



今年の猛暑は、大学四年で卒論と大学院の論文を控えた弘樹にはあまりにもきつかった。

「7月でこの暑さって・・・・有り得ねーだろ。」

まだ夏もこれからだというのに、先が思いやられる。
暑いからといってクーラーはあまりかけたくない弘樹は、扇風機でなんとか暑さを凌いでいる。
しかしそれもこの先大変になるだろう。

「さすがにクーラーつけるか?いやいや、でもな・・・・」

ここまで扇風機でやってきたのに、クーラーに頼ったら依存してしまいそうでなんだか手が出しにくいのだ。
不意にインターフォンが鳴る。

「お邪魔しま・・・って、うわ。暑いですよこの部屋」

入るなり顔をしかめて、換気扇を回したのは、同級生の野分だ。頭がよく、顔立ちが整っているためかよく女に囲まれていることが多い。
高校の時に知り合い、大学は学科は違うものの、講義が一緒の時は飯を食べに行ったり、勉強したりして過ごしている。
お互いの家に行って勉強、学校でも勉強で、浮いた話は一切しない関係。
弘樹にとって、一緒にいて一番気楽になれる人間の一人だ。
敬語なのは何故なのかと聞いても教えてくれなかったが、まあ一緒にいることで都合が悪い話でもなかったので、そのまま流しておいた。

扇風機と団扇で涼みながら怠そうに返事をする。

「あー悪い。クーラー使いたくなくてよ。」

「設定温度高めなら電気代かかりませんよ。」

「それもあるけど、あんま頼りたくないっていうかさ。」

「いい心掛けですけど、無理はよくありません。論文とかあるのに、今体調崩してどうするんですか?」

「うー・・・・」

つけるのも億劫だ、とアピールすると、野分は勝手にクーラーをつけ始めた。

「ちょ、なに勝手にやってんだよ!?」

「今日は35度を超えるんですよ。温度高めで時間も少しなら、そんなに電気代くわないでしょう。」

「・・・・・まぁそうだけど」

床にごろりと寝転がり、眉間を指で揉みしだく。目が疲れた。
そして野分のほうを一瞥すると、なんだかはっきりしない様子で黙り込んでいた。

「・・・どうした?」

「・・・・俺も、大学院行くんです。」

「?ああ、そう。」

「だから、来年からは一人暮らしになるんですよ。」

野分は家族がおらず、寮で、奨学金を利用して生活していた。それを知る弘樹は、ああ、よかったな、と頷いておいた。

「だからその時・・・一緒に部屋を選んでいただけませんか?」

「まぁ、いいけど・・・・どんな部屋がいいんだ?」

「2LDKぐらい、ですかね。」

「一人暮らしにしてはでかくないか?誰か一緒に住む予定なのか?」

「はい。」

「へぇ・・・・・」

先程にも述べたように、弘樹と野分の間で浮いた話がないので、意外そうに頷いてみる。
軽くショックを受けたなんてことは、死んでも秘密だ。

「恋人か?」

「予定ですが。」

「予定?なんだそりゃ。」

苦笑して言うと、野分の拳がずいと目の前に差し出される。
思わず手を出すと、鍵がちゃりん、と手の平に落ちた。

「・・・・・・野分」

「はい。」

「・・・・・クーラーつけたら、電気代だけはお前持ちだからな。」

「っ!・・・・・はい!!」

嬉しそうに笑う野分を見て、こちらも頬が緩んだ。

今年の猛暑は、去年よりもかなり暑くなりそうだ、と、漠然と考えたのだった。




END

エゴの始まりシチュ!\^o^/
時間過ぎた(T-T)

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