*過去拍手文*

□拍手文@
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Egoist 朝のあなたへ




ヒロさん。


「んんっ・・・」


起きてください、遅刻しますよ。

可愛い可愛い寝顔を、しかめっつらに変えるのはあまり好きじゃないけど、起こさないとヒロさん怒るから。


ヒロさんてば。


「んだよ・・・バカ野分」


・・・バカはないでしょう、ヒロさん。

って、あれ?

ヒロさん、なんか、笑ってる?

「朝っぱらから・・・盛ってんじゃねーよ・・・バカ」

ヒロさん、顔赤い。
もしかして夢見てるのかな?

俺の夢?


「・・・もっと、」

思わず生唾を飲み込む。

だって、いくら寝てるからってその顔は反則ですよ・・・・?

「早く、しろよ・・・」


ああ、もう・・・!!
貴方って人は・・・・・・


息を吸い込み、大きな声でヒロさん!と叫ぶと、ヒロさんはがばっと勢いよく起き上がった。

「んぁ・・・?はれ?野分、なんでそこにいるんだ・・・?」

いるも何も、もう一時間以上ここにいましたよ。

「一時間・・・?って、あ゙〜!!やばい!遅刻だ!!」


案の定、ヒロさんは俺に「起こせって言ったのに!!」と怒鳴られてしまった。


何十回も、ヒロさんと呼んだのに。
でも、今は許してあげます。

今晩、ベッドの中で、朝の夢の内容をじっくり聞かせてもらいますから。


小さく決意し、あわてふためき出かける恋人を呼び止める。

ヒロさん。

「何っ!?」


ちゅっ。


振り返ってキス。ヒロさんはこれが恥ずかしいと言っていたけど、でもね、ヒロさん。

そんな顔が、すごく可愛いから。
その後の怒る姿は、もっと可愛い。


だからごめんなさい。

俺は当分、これを止めることできませんから。


「いってらっしゃい。」


朝のあなたに伝えたい。
あなたを、どれだけ俺が愛してるかってこと。




END
 

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