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□恋愛アナリシス(完)8
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俺達は、大人になった。

学生の頃のように、周りが見えないほどお互いに夢中になって、抱き合うことはなくなった。


彼は、スザクは、元気でやっているだろうか?


携帯のメモリには、一年以上使われていない番号がある。

引き出して、コールしかけて、また戻す。

そんな繰り返しの毎日。

スザクから連絡を貰ったことはない。
少なくとも、それがどれだけ俺を苦しめているのか、お前は知ることはないだろう。

そんな日々の中、俺が一番、一番期待していた・・・そして心のどこかで恐れていた連絡が、入った。

最後にメールをしてから、一年と数ヶ月ぶりの連絡だった。

『ルルーシュ。久しぶり・・・』

あの高い少年の声は消え、大人の男の声をしていた。

胸が高鳴る。
未だにスザクが好きな自分にほとほと呆れていた。

「ああ。久しぶりだな。元気にしてたか?」

『うん。ルルーシュは?』

「俺は元気だ。それより、どうした?いきなり連絡してくるなんて」

聞かなければ、知らなければ、俺は今幸せだと言えただろうか。

その答えは、否。


『あのね、ルルーシュ。僕ね・・・来月結婚するんだ。』


聞かなくても、いずれは知る事実、だから。


「・・・そうか。おめでとう、スザク。」

『ありがとう、ルルーシュ。それでね――――――』


胸が裂けてしまいそうな感情など、捨ててしまえばいい。


俺達は、大人になったんだから。

昔とは、非常識で世間知らずの昔とは、違う。


でも、考えられずにはいられないんだよ、スザク。

お前は、俺がいなくても幸せ。
お前は、俺といなくても平気。



じゃあ昔は?
昔のお前なら、『そんなわけない』って言ってくれたのだろうか?


ルルーシュと、ずっと一緒だ。って、昔みたいに、言ってくれたのか?


『――――ってことなんだけど、ダメかな?』

「・・・え?」

『なんだ、聞いてなかったの?昔ならそんなことなかったのに・・・』


昔、なら。
昔なら、お前は俺と・・・


「き、聞いてる。披露宴で友人代表のスピーチだろ?」


友人。
そうだな。
そうだよな、スザク。
俺達はこれでよかった。

あんな関係、本当は誰も許してなんかくれないし、誰も幸せにならない。


頭では、こんなにも分かっているのに。


どうして。
なんで。



大好き、だった。
でも俺はまだ・・・


忘れられなかったのは、変わらないままでいたのは、俺だけだったことに、今更気付くなんて。

 
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