A

□君が笑顔になる方法
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幼い頃からずっと一緒にいたが、今はそんなに一緒にいる時間がなかった。
それにまた、笑っているところを見なくなった。
こんな仕事をしているから笑え、の方が難しいけれどそれでもGと同じ守護者の雨月やランポウはよく笑っている。
Gに言ったら「あいつらと比べるな」と怒られそうだけれど…。


だけど、こんな仕事をしているのだから少しでも笑った顔が見たいのだ。
小さい時、2人でいた頃のように…。





――
――――

自分の仕事が終わったあと、静かにGの部屋に忍び込んでみた。
彼はいつもなら人が入ってきた気配で起きることが多いのだが相当疲れているようで寝ていた。
ジョットはベッドの傍にあった椅子の上に座りGへと手を伸ばす。
触れたときに少し反応したがまたすぐに整った寝息が聴こえてきたことにホッとした。


赤い髪、出会ったときはタコみたいだと言った覚えがあるようなないような…。
そして顔の右半分にある赤の刺青が小さい頃から好きだった。
まわりでは怖いと言った子がいたりしたがそんなことは思わなかった。
ただただ、かっこいいと思っていた。
深い意味もなく額に軽く唇を寄せた。
イタリアでは軽いキスは普通の挨拶だったから何の躊躇いもなかった。
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