Short story

□彼と彼女のピアノ
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「あ〜もう!
上手く弾けないよ〜」

そう喚くのは桃お嬢様。
今はピアノの練習中の様です。

「へたくそ」

そう嘆くのは冬獅郎様。

「って何で来たの!?」

「…暇潰しだ。」

ここは桃お嬢様の自室。

数分前、冬獅郎様は桃お嬢様に会いに
雛森家へご訪問されたのでした。
もっとも肝心の桃お嬢様はピアノの練習に必死で、
気付いていなかったご様子ですけど。

「じゃあ日番谷くんはピアノ、上手に弾けるのっ?」

冬獅郎様にはムキになる桃お嬢様。
他の殿方にはこんな表情はなさらないのに。

そして返事代わりに、冬獅郎様はさっきまで
桃お嬢様が座っていたピアノのイスに座ると…


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