企画部屋!
□バ
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※+10years
最近、夢をよく見るようになった。
同じ夢を、何度も何度も。
僕は夢の中で、骸の後姿を追う。
追っても追っても、追いつくことは出来ない。
不意に骸が止まった。
肩に手をかけようとしたとき、骸が言った。
「触れてはなりません」
「僕は、――――から」
振り向いた骸の瞳は酷く哀しげで、印象的だった。
僕は言葉をかけようとする。
「――――!!」
僕は布団から飛び起きた。
そしてため息をつく。
「またか…」
いつも骸に声をかける前に目覚めてしまう。
どうしていつもあんな哀しそうな目をするのだろうか。
縁側に出てみると、もう秋が近づいているのか、少し寒かった。
ついこの間までは夏だったのに、と思い庭を眺める。
時々、葉がひらひらと舞って地面へと落ちていった。
「おはようございます」
ふりむくと、忠実な部下である草壁が立っていた。
「風邪を召されます、そんなところに長くいては」
「大丈夫だよ」
そう言ってまた庭へと視線を戻す雲雀に、草壁は心配そうに尋ねた。
「…なにかお悩みでも?」
さとい彼の事だ、感づいたのだろう。
隠さずに雲雀は話すことにした。