☆Gift

□KY男は企む
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「ふざけてるの?」
強調された言葉になんかイラつき、手に持っていたそれを床にぶん投げる。


--ガシャンッ!!!


「ああッ!!!」
「壊れるほど強くやってないから大丈夫」
奴はiP*dを拾い、ちゃんと電源が入ることを確認する。
ホントは壊れそうなくらい投げつけたつもりなんだけど…単純な奴だからいいか。


「で、なんでそんな曲聴いてるの? 趣味悪いの?」
「何を言ってるんですか恭弥君。分かってるクセに…」
「?」
「!!? 恭弥君、鈍すぎです…泣」
泣き真似なのか知らないけど、奴は顔を両手で覆い隠す。


「もしかして君、まさか…。
"僕とヤりませんか"なんて言うんじゃないだろうね?」
「!!! その通りですッ!!! 気付いてくれて嬉しいです!!!
聖なる夜に、2人で…クフッ」
「………」
「応答がない=返事はOKでいいんですね?」
答えるのも否定するのも馬鹿馬鹿しい。


「好きにしたら? 僕は君みたいなKY男にはなりたくないから」
溜め息を吐いて、トンファーを捨てる。
無防備になった僕は、たった今、奴のおもちゃとなった。


奴は異常に目を輝かせ…僕に一歩、また一歩と歩み寄ってくる。
ついには、2人の距離は30センチにも満たないくらいにまで達した。


「その言葉、僕の脳内ボイスレコーダーにしっかりと録音されているので…取り消しは不可能ですよ」
左手で僕の顎を軽く持ち上げ、右手で頬を優しく包み込む。



「愛しい恭弥君をいただきます♪」


          
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