☆Gift

□狼少年
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「嫌だっていってるでしょ!」


応接室に、さきほどからいつもは静かな、雲雀の大きな声が響き渡っていた。
机に座り、書類の処理を進める雲雀の前には、困った表情の骸が。
2人きりの応接室は、なぜか不穏な空気に包まれていた。


「雲雀君、少しぐらい休んだっていいじゃないですか。せっかくの日曜日です。海でも映画でも、好きな場所に行きましょう?」
「僕は嫌だってずっとずっといってるじゃないか!聞こえてないの!?」
「だからって毎週毎週応接室で休みを過ごすことはないじゃないですか!」


ちらり、とほんの少しの間だけ、雲雀は書類から顔を挙げ、骸の様子を伺った。
それに気づいた骸が目を合わせると、再び目線をそらせ、仕事に戻ってしまう。

同時に、骸の頭の中でぽん、と何かがはじける音がした。
あぁ、と小さく骸から声が漏れる。
そういうことですよね、と内心大きく頷くと、骸は頭からすっと苛立ちが引いていった。

一方雲雀は、骸からだんだんと消えていく苛立ちに小さく首をかしげた。
骸の感情を変える出来事なんて、何も起きて無いのに、と。


「雲雀君…もしかして…ほんとは応接室にいたいから、そんなことを言っているんですか?」
「…君、何を言ってるの?もちろんじゃないか。」
「すこし、単語が抜けました…僕と、一緒に、です。」
「なっ…!」


骸の一言に、カリカリというペンの音が止む。
一瞬にして真っ赤に染まってしまった雲雀は、唇をかみしめ、恥ずかしさに耐えているようだ。
そんな子供のような雲雀が可愛く見えたのか、骸はクスクスと笑う。


「ち…違うんだからね!勝手に勘違いしないでくれる!?」
「はいはい、わかっていますよ。」
「わかってるなら笑わないでよ…!」


ぷい、とそっぽをむいてしまった、雲雀に、骸は優しい眼差しで笑いかけた。
その眼差しからは、骸が雲雀をどれだけ思っているかがうかがえる。


「そんなに怒らないでください。」
「怒ってない。」
「それはすみませんでした。」


謝りながら、骸は雲雀の額にキスをした。
雲雀は一瞬、目をぱちくりさせると、また先ほどのように顔を真っ赤にした。
そんな雲雀の様子を見て骸がクスリと笑うと、雲雀はがたん、と椅子から立ち上がる。


「大嫌い!骸なんて、大嫌い!」
「知ってますよ、雲雀君。」




【狼少年】
(でも)(そんな雲雀君が可愛いんですよ)


*アトガキ*
藍雲 桜様、お待たせしました!!
遅くなってしまい、本当に申し訳ありません><
すべてパソコンが悪いんです、文句はあいつにいってくだs((こら
おまけにとてもSSっていう…。
桜様はあんなにすてきな小説をくださったのにorz
よければお持ち帰りくださいませ^^
相互ありがとうございました♪

桜様のみお持ち帰り・苦情・返品可能。

10/07/10 永叶無夢-eyoumu- 弥夢
  
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