聖皇女コーネリア

□序章
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三人は旅の途中、魔物に襲われた人々を助けたり、魔者に支配された街や村の開放をしました。
困難な旅の末、ついに女神の待つ世界の中心、エイディン島へ皇女達は辿り着きます。

女神は皇女に最後の試練をお与えになりました。

ミリアリア皇女は果敢にもその試練に挑み、見事達成なさりました。
全ての試練を潜り抜けた皇女に、女神は聖なる力を授けます。

聖なる力を得た皇女はこの世で唯一、魔の王と闇の眷属を封じる事が出来る存在――聖皇女――となりました。
聖皇女一行は魔の王達が待ち受ける居城、パンデモニウムに乗り込みます。

魔の王の本拠地なだけに、数々の強力な魔物や魔者達が、彼らを迎え撃ちました。
けれども、聖なる力を授かったミリアリア皇女の敵ではありません。
また、仲間達も旅の中で多くの経験を積み、強さを増していました。

三人は襲い来る敵達を排除しながら、城の奥へ奥へと進みます。
とうとう魔の王が待つ最深部に辿り着くと、皇女は最後の戦いを挑みました。

厳しい戦いの末に、皇女は聖皇女としての全ての力を使い、魔の王とその闇の眷属達を封印しました。
ようやく、世界に平和が取り戻されたのです。

しかし、自身の力を全て使い果たした皇女は、魔の王達を封じると同時に命を落としてしまいました。

封印の術は命と引き換えに発動するものだったのです……。

戦いの後、神々の世界に帰る前に、女神は皇女の仲間達に預言を与えました。
それによると封印は絶対のものではなく、千年後には解けてしまうらしいのです。
皇女の命を犠牲に訪れた平和は、千年しか保たない仮初めの平和にしか過ぎなかったのでした。

再び魔の王達が復活する頃、もう彼らは生きておりません。
しかし、子孫達が苦しめられるのは酷というもの。
どうすればと悩む二人に、女神は更に言いました。

千年後、魔の王達が復活すると同時に、アリストレア皇家に一人の女児が誕生する事。
その皇女は十六歳になると、聖皇女となるため旅立つ事。
それらの言葉を残し、女神は地上を去ったのです。


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