聖皇女コーネリア 外伝

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皇子様の贈り物


一人の青年が皇都アリストテレシアの街を歩いている。
銀髪に蒼い瞳を持つその青年は、端正な容姿の持ち主だった。

一流の芸術家がいれば、思わずその姿をキャンバスに残してしまいたくなるだろう。
道行く女性達も彼を見ては、顔を赤らめてきゃあきゃあ騒いでいる。

彼の名はエルンスト・カイル・エーベルハイト。
アリストレア皇国皇帝の嫡子にして、次期皇位継承者である皇太子だ。

彼は妹の為にプレゼントを買いに、都へやってきたのだ。
勿論、こっそりと抜け出してきたのは言うまでもない。

「う〜ん……。どれも捨てがたいな」

店先を覗いては、ああでもないこうでもないと吟味している。
エルンストの妹コーネリアは、近いうちに旅に出る事が決まっている。
旅立ちの日はまだ未定だが、そう遠くない事はわかっていた。

離れていても自分達の事を感じていてもらう為に、彼は最愛の妹に何か贈ろうと考えていたのだ。
例えば、いつでも身に付けてもらえる装飾品など。

「なかなかいいのが見つからないな……。ん?」

立ち止まった彼の目の前には、露天商が広げた色とりどりの装飾品があった。
エルンストは露天商に声をかける。

「商品を見せてもらってもいいかな?」


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