聖皇女コーネリア

□第15章
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翌朝、ディオンと合流したコーネリアは相談した結果、自分達もアンドヴァリ王国へ行く事に決めた。

女神から与えられた試練「四天王討伐」を実現するには、まずその居場所を見つけるのが先決。
そこで何かしらの事件が起きている場所に赴き、調査をしてみようという結論が出されたのである。

「いやぁ、嬉しいですね。麗しのコーネリア皇女とまだご一緒出来るだなんて」

同行を申し出られ、エディアルドは実にご満悦といった感じだ。

「美しい貴女様とこの地でお別れになるのを、実に惜しく思っていたのです。ふふ、これも女神のお導きでしょうか」

「ったく、お前は国の危機を救う為に動いてるんだろーが。そういう不謹慎な事は慎めよな……」

呆れ顔のディオンに辛辣な意見を言われても、愛の求道者を自称する王太子はどこ吹く風である。

彼は彼で、真剣に事態の解決をしようとしているのであしからず。
……まあ、こんなノリなのでいい加減だと疑われても仕方がないが。

「チッチッチ、分かってないですねぇ。いいかい、ディオン君? 何事も気を張ってばかりじゃあ、駄目なんですよ。特に息抜きをし、心のゆとりを保つ事で最善の結果へと……」

ペラペラと持論を捲し立てる王子を放置し、ディオンは話題を変えた。

「それにしても、あのチビ……じゃないミラネ様はまだ話が終わらねーのか?」

現在、ミラネはエスポワールと交信中である。
このエイディン島を出て、アンドヴァリ王国へ行く許可を得ている最中だ。

それが終わらない限り、コーネリア達は身動きが出来ない。

「もしかしたら、聖神官様が大神殿から出られる事を女神は、快くお思いにならないのではないでしょうか」

女神エスポワールが厳しい事を昨日の件でよく知るコーネリアが、ぽつりとそう漏らす。

彼女は決して女神を嫌っているわけではない。
確かに色々と辛らつな意見を言われた時は堪えたし、理不尽に感じる事もあった。

だが、それだけで信仰心が揺らぐはずがない。

そのように生半可で中途半端な気持ちであれば、生きて帰る事の叶わぬ聖皇女の使命などとっくに投げ出しているだろう。

「ま、ここでアレコレ考えていても埒があきませんよ。それよりも、僕とコーネリア殿下の愛を深める相談を……」

コーネリアの両手を握り、バックに薔薇でも背負っていそうな雰囲気のエディアルドが熱っぽく語る。



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