聖皇女コーネリア

□第4章
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地上世界を我が物にせんと、侵攻を続ける魔の軍勢。
彼らによって征服された国家は、悲惨な運命を辿る事となる。

王族は女性を除いて全員処刑され、国民達は全て魔者どもの奴隷とされてしまう。
貴族すらも民衆に混じって、魔者達の為に強制労働しなければならないのだ。

彼ら魔なる者達は刃向かう者や脅威となる人間以外はなるべく殺さず、労働力として死ぬまでこき使うつもりなのである。

――脆弱で矮小な人間など我ら誇り高き闇の住人から見れば、虫けら以下の存在でしかない。

――死ぬまで一生、我々の為に働き続けられるのだ。有り難く思うがいい。

闇の世界の住人達は、地上世界に生きる全ての生命を格下の存在と見下していた。
その中でも特に、人間に対する差別意識は強い。

さて、処刑を免れた女性王族についてだが、ある意味殺されるよりも過酷な運命が待ち受けている。
とある場所へと連れて来られ、幽閉されてしまうのだ。

そこに閉じこめられるのは、王族だけではない。
貴族や平民の中から、気紛れに選び出された女性達もいる。
集められた女性は皆、十代後半から二十代半ばにかけての若く、健康的な者ばかりだ。

なお、女性達が集められている場所は、最初に占領された国に存在しているらしい。
その事実を知っている人間は、残念ながら皆無である。
神聖教ですら……だ。
そもそも、人間達は魔者が女性を集めているという事すら知らないのである。

占領された国に近付けば、無事で済むという保証がない。
捕まって殺されるか、奴隷の仲間入りをさせられるか……。
どっちにしろ、ろくな目に遭わないのは明白だ。

自らそんな土地に足を踏み入れようとする、酔狂な者などそうそういないだろう。
だからこそ、そちらの情報はあまり入ってこないのである。

集められた女性は、そこで……。

魔者との子どもを産まされるのだ。
ある計画の道具とする為に……。


まんまとコーネリアを捕らえる事に成功した悪党三人組。
彼らは良い仕事をしたと言わんばかりに、達成感溢れる満足そうな表情をする。

「フェイス、お嬢ちゃんを袋の中に隠しておけ。近衛兵に見つかったらヤバいからな」

「へいへい、分かってますよ」

人が入れる程に大きい袋を、ボスらしき男が投げてよこす。


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