絶えたる誓いを護り抜け
□生まれ出小さき灯
3ページ/7ページ
◇ ◇ ◇
晴明は、生まれ来る孫の事で頭を悩ませていた。
息子の吉昌も同様の占が出たらしく、最近はいささか顔色が良くない。
「晴明、どうした?」
主の背中がいつもと違う事に気が付いた勾陣が、音もなく顕現した。
「勾陣か……」
「吉昌の子供のことか?」
「ああ、やはり些かよくないようでな」
吉昌の妻である露木のお腹には新しい命が宿っていた。
吉昌にとって三人目の子供で、晴明の孫になる命だ。
もうすぐ産まれるであろうその命は、どうやら肺が弱いらしい。
「無事に産まれるとよいのだが……」
その子の命の輝きはあまりにも薄い。
何事もなく生まれたとしても、はたして長く生きられるだろうか。
「大丈夫だ、晴明。お前の血をひく者なのだから」
「そうか……」
それから三日後、その子は無事にこの世に生を受けた。