絶えたる誓いを護り抜け
□幼き胸に誓いを秘めて
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まどろみの中にあった意識が徐々に浮上していく。
「成明?」
自分を呼ぶ声に瞼を開けると、優しく笑う瞳がこちらを覗き込んでいた。
「おはよう」
「まさちかにいさま、おはようございます」
よいしょと反動を付けて起き上がると、大きな手がわしゃわしゃと成明の頭を撫で回してきた。
「珍しいな、早起きのお前が俺達に起こされるまで寝ているなんて」
「なりちかにいさま、おはようございます」
「おはよう」
直衣をまとった成親はひとしきり成明を撫でた後、満足したのか手を引っ込めた。
ぐちゃぐちゃになった髪を直しながら、成明はきょろきょろと室内を見渡す。
眠りに入った時と同じで、ちゃんと自分の部屋だ。
「どうした?」
「まだ、具合が悪いのかい?」
額に手を当てるが、熱はすっかり下がっているようた。
「あのね、夢を見たの」
「どんな夢だい?」
「うーんと、たのしかったよ」
不思議な夢だったが確かに楽しかった。
「そうか、だから寝坊したんだな」
「早く起きておいで、ご飯にしよう」
兄二人に手を引かれて成明は朝餉を食べに向かった。