銀色

□炎の中にて
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おぉ。爺さんがまたお題目を言いもって。

人の死を司るやて。

孤独 犠牲 虚無 絶望 破壊 陶酔 狂気 強欲 憤怒。

どれもこれもまぁそやね。もっともや。

ま、ボクから言わせればちょぉ違う気もするけど。

少なくとも横に居るお人はそないな事では死にはらへんね。

ひゃぁ。老いやて。

そないいうなら、誰も日々死んでいきよるみたいなもんやし。

生きとることに執着しはるから、老いるんが怖わなるんや。

失うこと怖お無かったらどういうこともない。

せやったら、人間やったら死んでもちゃんと輪廻の輪に入っとるんやろ。ならなんでもないことや。

ただの区切りやん。

ボクら死神かて死んだら霊子になって世界の基になる。

形も何もなくなって、ボクいうモンは無うなるんかも知れへんけど、消滅して無くなる訳やあらへん。

怖い事なんかなんも無いよ。

そやから、今楽しめることは今楽しんどこや。

ま、楽しむ時間が長ごなるのはやぶさかやあらへんけどね。

違うもんに変わったときはそん時のまま楽しめば良いし。なんや面白そうやん。

おとろしのは執着や。執着無かったら身軽なモンや

済んだ事悔いたり、行く先憂いてもなんもならん。

つまらん御託はやめて、早うヤろ。

まだ、待たせるんかいな。早よしてや。

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