銀色

□夢の終わり
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はじめはほんの気まぐれやった。
ちょうどなかなか手に入らん大好物をたくさん抱えとって上機嫌やったし。


なんかちょうど傾いてきたお日さまにあたってキラキラしとるもんあるな思て近づいたら、微かに霊圧を感じて、なんやこの子同類か。とつい興味を持ってしもたんや。


体は汚れとったし、ずっと無表情で、ただ倒れとるだけやないな思たけどそこは触れんかった。


一緒に干し柿食べて、それからなんもしゃべることもないし、いたたまれんなってつい聞いてしもたんや。

「帰るとこあるん。」

実際見てのとおりで、帰る家などあるわけないやろ、いらん事聞いてしもたって思たけれど、とりあえず彼女の返事を待った。

しばらくの間じっと俯いとったけど、僅かに首を横に振って。

仕方ないやろ。聞いてしもたんやし。ふーん言うて済まされんやろ。ついてきやて言うたら黙ってついてきたんや。


それからボクらの変な共同生活が始まった。


なかなか二人分の食い物用意するのは大変やったし、正直面倒やな思わんかった事もないけど、意地悪言うたら、目まん丸にして、一杯涙ためて、そんでも絶対泣かんこの子からかうのは面白かった。


口数の少ない子で、黙っとったらいつまでも二人しゃべらん事になるから、いろいろなことを思いついては話しかけるのが日課になっとった。




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