空色
□沈む
1ページ/1ページ
気が遠くなる程
永く永く続く。
苦痛と快楽が入り交じる。
指先から痺れて
感覚が途切れていく
肺が潰れて疼く
足りない酸素を補おうと
私は死にかけた小魚の様に
醜く口を開ける。
それを見逃さない切れ長の眦は
息をする事などまるで赦さないかの様に
血が滲む程に唇を貪った。
意識が霞んでいく。
水面からどんどん沈んで
暗い水底に墜ちる
届かない明るい場所。
澱んだ水底から
手を伸ばす。
叫ぶ事も叶わず
ただ美しく光る泡となって
昇る私の声。
ゆらゆら揺らぐ髪を掠める
このまま沈んで
上がれなくても
それでも良いからと
ただ祈った。
.