空色

□噛む
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やっと貴方の温もりが、

側に無いことに慣れたというのに、

貴方は、

その恐ろしい空白が

まるで無かったかの様な顔をして、

私を鳴かせる。

私は本当は怒っている。

側にいてくれない事を。

でも、口には出さない。

替わりに、

あんなにも焦がれた貴方の指を

思い切り噛む。

少し驚いた顔をして

貴方は私を見つめ、

それから

まるで仕返しの様に

強く抱きしめた。


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