空色

□溺れる
1ページ/1ページ





微かに浴室からのシャワーの音が聞こえて来る。

何時の間にか手放していた意識。

そっと瞼をあげて

俯いた姿勢

見えるのは布で出来た幾重の丘だけで。

私はなんだかくすりと笑う。

その刹那

右の目から膨らんだひと雫が
伝い落ちて左目から

布の砂丘を濡らした。




常に潤う事はない。


.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ