銀色
□忠告
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「団子、ご馳走さん〜。平子隊長、藍染副隊長には上手いこと言うとくわ。貸しやで〜。」
気がつくと、平子の持ってきた皿の団子も、ひよりの皿の団子も消えていて、
「おおきに〜。」
もう、ギンの声ははるか向こうから聞こえてくる。
「あんのガキ!後で酷い目にあわせたる。ひより、もう一皿おばちゃんに言うてこうか?」
「いらん。」
「かまへんのか。」
「いらへん。」
平子はふぅとため息をついて、まだ小さく震えている彼女を見おろした。
アホやな。お前は。
ふいに愛おしくなった。
判らんように守らんとな。
そう誓った。
平子は、それから、ギンの去った方を見て思う。
分からん。分からん。思てたが、やはり油断ならんガキや。
あの、霊圧。ひよりかて、副隊長や。それ相応の力を持っとるのに、あのガキの足元にも及ばんかった。それに、普段は一切を抑えることの出来る力も持っとる。
冷酷な殺気やった。もしかしたら、あれはバケモンかもしれん。まだ、脇が甘いよって、オレでも押さえきることは出来るが。いずれはわからん。
見切ること。導くこと。可能やろか。
のどかな春の空を見上げて、平子は大きくため息をついた。
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