なんやかんや移動物

□交響曲第五番
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誰かさんの下半身を埋め終わったころ、藤丸はしゃがみ込み休憩を取っていた。
彼の細い腕では、人一人分の穴を掘って埋めることは重労働であったのだ。
リュックの中に入っていた水を少し飲み休憩を終えてまた作業に取りかかろうとしたとき、
がさがさっ
派手な帽子をかぶった人が出てきた。

「なにやってるの?」

見てわからないのかな?
教えてあげた方が良いのかな?

「埋めてるの。」
「何を?」
「…人を」
「なんで?」
「神様が言ったから。」

短い質問タイムをとってから、派手な帽子をかぶった人は、下を向くと、ゆっくりとかばんをおろし、中から何かを取り出す。
そして、かばんから大きめの包丁を取り出して、僕に刃先を向けて言う。

「君が半田を殺したの?」

僕じゃないと言おうとしたが、神様がスパースキャンを使えというので使った。間一髪で彼の攻撃を防げた。さすが神様。

「答えろよ!お前が半田を殺したの?」

包丁を投げ捨て、僕の胸ぐらをつかみ、執拗に聞いてくる。
そろそろしつこいなぁと思ったとき。
神様が言った。
「すまない。貴方が死ぬことは運命で決まっていて、回避することは不可能なようだ。」
まだ何のことかわからないけど、僕は派手な…いや、松野だっけ?松野君に殺されるっぽい。運命なら仕方がないや。神様の言う通り運命をたどろうか。…逆らってみるのも悪くないかな?逆らうなら言おうと思ったことと反対の事を言えばいいかな。

「うん。僕が殺した。君はこのゲームを楽しまないの?」
「ふざけるなぁ!」

首を捕まれ、バランスを失い、倒れてしまった。身長だったら僕の方が高いのに。頭を打って痛かったけど、それどころではなく松野君は赤い顔で、こちらを睨み、僕の上に馬乗りになっている。僕の首を絞める力はとても、強くて僕の力じゃ、この圧力から逃れることは絶対に不可能だった。これが運命なのか。と抵抗をやめ、ぼんやりしてると、何か声が聞こえてくる。松野君には聞こえてないみたいだけど、声はだんだん大きくなり、こちらに近付いてくる。

…つい……裁きの鉄槌!………裁きの鉄槌!!

神様の言っていた運命はこれのことだったのかと赤い景色の中思った。


【藤丸 啓 松野 空介 死亡】

【残り 45人】






最近スランプ最近厨二病の風あたりが冷たい
訳わからん
いつか直そう

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