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□この感情は…?
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「おいっ!離せよ。俺が走れねーだろ!」

「だって、今まで頑張って2人で走ってきたじゃん!何で今になってそんなペースあげるの?」

「お前が遅すぎるんだよ!このままじゃ目標タイムに届かないんだよっ!」

「だって後1q位でしょ?最後まで…一緒に…頑張…ろ……うよ…。」

「銀時っ!!?」

掴んでた手がふっと力が抜けた。間一髪で銀時を地面に激突だけは避けたが、銀時の顔が青白い。短い呼吸を繰り返す。


「銀時っ!…おい!大丈夫か?」


呼びかけてもぐったりしている銀時には聞こえてないみたいだ。







「……ん?あれ??」


銀時はそっと目を覚ました。そこは、ふかふかのベットの上だった。


「じゃぁ、ここは保健室かぁ」


まだ大分ぼんやりした顔で状況を把握した。


…ってか何で保健室にいるんだ?確か、長距離を走ってて…土方がスピードをあげて、腕掴んで…??


いくら考えてもそこまでしか思い出す事が出来なかった。


サラッ


「…あ?」


手に何かが触れた。その方向を見てみると土方がベットに突っ伏して寝ていた。


その顔は普段の無愛想な顔ではなく、眉間に皺を寄せていない整った顔がすぐ横にあった。


…こいつなんつー穏やかな顔で寝てるんだ。普段の無愛想な顔は何処に行ったんだか。


土方の頭を撫でる。その髪質は思いのほかサラサラで心地いいものだった。


…頭が良くて、カッコよくて、運動神経抜群。そりゃ、女子が騒ぐのも分かるわ。それに、この寝顔を見せれば誰でも一殺だな。






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