▼その他
□蝉の脱け殻。
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「あれ?」
新学期
俺達も4年から5年にあがりクラス分けでい組になった俺と勘右衛門で教室に向かい扉をあけた。
教室にはすでに1人だけ座っており、その姿に俺も勘右衛門も驚きを隠せないでいた。
「流琉花っ!!」
勘右衛門が明るくその人物の名前を呼ぶとくるりと振り替える
「勘先輩っ!!」
目の前で可愛らしく笑うその子は、去年まで後輩だった女の子――――流琉花だった。
「なんで5年の教室にいるの?服も5年のだしっ」
流琉花は4年でしょ?
勘右衛門が首をこてんと倒し流琉花に問い掛ける。
流琉花は元々くの一の教室に行くハズが流琉花の兄のごり押しにより忍たまとして学習している。
難儀な事だ。
流琉花は眉をひっそりと寄せて口を開いた。
「兄が学園長に私を早めに卒業させたいと…学園長も許し私に飛級を……」
ああ。本当に難儀な。
(実は俺も勘右衛門も流琉花が好きだったりする)