詩集
TOP・拍手・気紛れの3つ
から構成されている詩集。
見分け方
§TOP詩§
∬拍手詩∬
*気紛れ*
◆*幽霊=幻=?*
『海くん!』
懐かしい夢を見た。
和が上の命令で出張に行ってたときの夢。
寝ている俺を叩き起こして、アイツは云ったんだ。
『海くん、あのね?お願いが有るんだ』
お願いが有る……
アイツはそう云って、にっこり笑った。
『あのね?・・・ーーー』
だが、その内容が一体何だったのか俺は覚えてない。
思い出そうとするが、彼女の諦めたような笑顔と、その『お願い』にたどり着くまでの話が強烈すぎて思い出せないのだ。
「アイツ……アノとき、何て言ってたっけ?」
ー・・・兄貴・・・ー
ふと開け放たれた障子から庭を眺めれば夏の風が通り抜け、その風にのってもういない和の声が聞こえた気がした。
「……和?」
キョロキョロと辺りを見回せば視界に入る懐かしい姿。
「……和……」
元気そうで何よりだとでも云いたげにニヤリと笑い、和は俺を見た。
よく見れば、やつの身体は透けていて、どうやら俺はユウレイってヤツを見てるらしい。
和也と夏樹は何時もこんな感じに視えてんのかと頭の隅で考えながらユウレイの和を見つめた。
「お前、何で今更……いや、ソレよりも……お前らは、どうして何時も俺をコキ使うんだよ…ふざけんなよ……何で、俺を……いや、あの二人を置いて逝った?笑ってねーで、答えろ。愚弟野郎!!」
幻に云ったって、しょうがない。
でも、言わなきゃ気が済まなかった。
ずっとコイツに言いたかったことだ。ずっと、ずっと。
和は困ったように微笑むと静に口を動かした。
ー・・・御免な…兄貴……・・・ー
「御免で済むなら…警察なんて……」
要らねぇんだよ!!
そう俺が呟けば、和はあの時の樹と同じ表情になった。
ふと再び俺の部屋を風が通り抜ける。
けれどソレはさっきよりも強かった。
そして、先程と同じように和の声が風に乗って俺の耳に届く。
ー・・・讖戦組を…皆を…和也と夏樹を……頼む・・・ー
「っ?!」
気が付けば、俺の目の前から和の姿は消えていた。
「……クソッ。何処までも自分勝手な奴等だぜ……勝手に頼み事押し付けて、勝手死んで、勝手に俺に和也達を押し付けて、また勝手に幽霊になって現れて……そうしてまた俺に頼み事を押し付ける……」
そうだ。
アノとき樹は困ったように笑って、今の和のように俺に云ったんだ。
『讖戦組と皆を頼む』と。
『自分が死んだ後の和を頼む』と。
「結局、樹との約束の一つは守れなかったってか?オマケに今の今まで忘れてたとか……ホント、笑っちまうよな……最低の義理兄(アニキ)だ……」
右目から何かが流れた。
障子を閉めて、俺はただただ身体のするがままに放置する。
そうしてひっそりと思うのだ。
アイツらの為に泣くのは、今日が最後だ。
と。
ユウレイ=幻=?
ソレは弱い俺が造り上げた
あの時何も出来なかった自分を許すための言い訳
2013/07/17(Wed) 23:54
◆§『痕跡日記』§
誰も知らない県達の暮らし
彼等は人間に混じり
生活している・・・
『白樺 城跡の痕跡日記』
そんな彼等の生活を
お見せ致します・・・
掲載期間:2012.05.14〜2013.03.15
2013/03/15(Fri) 14:42
◆∬サクラ∬
『・・・姉さん・・・』
『桜煉〈オウネ〉、行きますよ』
何時までこうしていればいいのだろう?
桜の精として生まれ
春が来るたびに姉〈彼女〉と桜を咲き誇らせる・・・
俺は自由が欲しい
風に乗って散ってゆく
あの桜の様な自由が・・・
期間:2011.04.22.〜
2012.07.07.
2012/07/07(Sat) 15:56
◆§大切なモノ§
気付けば其処に
奴等は居た・・・
何時ものように
気紛れで拾った彼等は
何時の間にか
俺にとって・・・
『破滅の鬼』
と呼ばれた俺の
たった1つの弱みは
姉貴だった筈なのに・・・
俺はまた自分で
『大切なモノ〈弱み〉』を
作ってしまった・・・
嗚呼
こんな俺にも
人並みの『ココロ』は
存在したのか・・・
期間:2010.11.27〜
2012.05.14.
2012/05/14(Mon) 23:16
◆∬お前だけを・・・∬
俺は昔からずっと
お前だけを愛してた
お前だけを思い
生きてきた・・・
だが ソレももう終わり
お前は後ろめたくない?
俺との思い出を
お前は簡単に捨てられる?
期間:2009.09.23.
〜2011.04.22.
2011/04/22(Fri) 14:32
◆§水浴び§
かんかん照りの太陽・・・
ホースで水をかぶり
体温を下げた
コレから
やってくるものに向け
準備するかのように・・・
嗚呼・・・
コレから暑い夏が
やってくる・・・。
期間:2010.06.30〜11.27.
2010/11/27(Sat) 23:21
◆§紅閖§
何時か見上げた
あの空は
真っ紅に染まっていた
まるで俺の刀
紅閖のように・・・
期間:2009.09.21.
〜2010.06.30
2010/06/30(Wed) 23:52
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