讖戦組
□禁煙@
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「んで?何だって?」
上着を脱ぎ、ソファーに座る…と言うか、胡座をかく。
膝に肘を付き、頬杖をつきながら隣に座る訊を見詰めた。
多分、スゲー不機嫌な顔をしていたと思う。
でも、彼女は臆することなくもう一度俺にあの単語を放った。
「だから、禁煙よ。き・ん・え・ん・!」
しかも二回。
「んでだよ?今まで何も云って来なかっただろ?」
「そうなんだけど……」
「何だ?何かあんならハッキリ云え」
明かに吃り出した訊。
此はきっと、何かありやがるな……。
そんなことをボンヤリと考えつつ、何時ものように煙草をくわえ、火をつけようとしたときだ。
「ダーメ!これは預かります!」
「あっ!こら、訊!!」
俺は煙草を取り上げられ、彼女のポケットに仕舞われたのだ。
嗚呼、俺の煙草……
その後、訊は夕飯を作りに……と言うか、殆ど完成に近い煮込みハンバーグとサラダを仕上げる為に、キッチンにへと向かう。
その様子を黙ってみていた俺は、ソファーの前のテーブルの上にあった新聞を何気無く持ち上げた。
丁度テレビ欄が視覚に入り、そしてこれまた丁度、とある番組名が視覚に入る。
『煙草の危険について〜喫煙者の死亡原因ランキング〜』
嗚呼、そう言う事か。
何ともアレなネーミングセンスの番組に、俺の中で全てに合点がいった。
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