讖戦組
□ぬくもり@
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「あーあ、バカ。何時も最後まで気を抜くなって云ってるだろ?」
「す、すみません……」
道場から聞こえる竹刀や木刀の交わる音。
洗濯物を干していた私はある人の声が聞こえ、ふと手を休めると開け放たれた道場の扉から中の様子を伺った。
今日は三番隊と六番隊が合同で剣術訓練をする事になっている。
中ではどうやらあの人の部下の一人が怪我をしたらしい。
私の恋人である、斉藤一さん…もとい芹誠さんの隊の人がだ。
「……ん。折れては無さそうだ……恐らく捻挫だろ。応急措置しとくから劉夏さんとこいくぞ?」
「え?」
「え?じゃねーよ。劉夏さんに診て貰わないと、怪我酷くなったら困るだろ?俺も、お前も、組織も」
「すみません……」
そんな無駄話をしている間にも、彼は道場の隅で素早く応急措置を施していく。
「海!ちょっと医務室行ってくるから、後宜しく!!」
「おー。分かった」
そうして怪我をした隊士を支えながら、彼は医務室の方にへと消えていった。
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