小説2

□第7話 初デート
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絵里「Σっ紫苑っ……」




紫苑「嫌がっているのに無理矢理連れて行こうとするのはどうかと」ギロッ!





DQN2「っるせえ!後から現れてなんだテメェ!!」バシッ




絵里「っ!」グラッ



紫苑「っと」グイッ




男は紫苑の手を振り払うと同時に絵里の腕を離した



その際の余波で再びぐらつく絵里を



紫苑は肩を抱き寄せて支えた





紫苑「大丈夫?」




絵里「え、ええ…」




紫苑「…………一応この子の恋人なので、そういう事をされると………」ギロッ




DQN1「オーオーカッコイイカッコイイ。


イケメンくん。そ〜ゆー事をされると?


何?

どうなっちゃうわけ!?」ケラケラ



DQN2「どうにもならねえよ。


テメェをぶん殴って無理矢理そいつを持ち帰るまでだからなァ!!」グオッ




紫苑「…………絵里、僕から離れないで」ギュッ




絵里「う………うん……///」キュウッ




片手で絵里を守るように抱きしめ


もう片手を向かってくる相手に向ける紫苑




男は既に派手なフォームで拳を振りかぶっている




DQN2「ビビってんじゃねえよ!!


この、優男がアッ!!」ゴオッ!!




紫苑の顔面に向けて拳が振り下ろされる




絵里「……………っ」キュウウッ




紫苑の腕の中で絵里が恐怖に震える



紫苑「大丈夫だよ……絵里」ボソッ




絵里「えっ…………」




DQN2「うっらあああアッ!!」ブンッ!!




紫苑「………………」スルッ



DQN2「ああ!?……………なっ!うわあっ!!」ドゴォッ!!




絵里「Σ………!?」




絵里が顔を上げると紫苑はやはり無傷



何かをするために少しだけ動いたのは分かったが


何をしたのかは全く理解できない




分かるのは

紫苑の後ろで殴りかかってきた男が仰向けに倒れていることだけ




絵里「し、紫苑………今なにを」




DQN1「テンメェ!!やりやがったな!!」ダダッ




遂に激高したもう一人が同じように紫苑に襲いかかる



絵里「きゃっ………!」ビクッ




DQN1「死ねよっ!!」ブンッ!!




紫苑「……………」スルッ




DQN1「っ!?は、あああっ!?」ドゴォッ



DQN2「Σっぐええっ!!」




絵里「……………!!」ポカーン




今度は絵里にも見えた




紫苑は相手のパンチに自分の手を絡ませて


威力を制し、そしてその勢いを利用して男を背後に投げ飛ばしたのだ



それも今度は男と男がぶつかるように




絵里「今のって…………」




紫苑「これ以上そんな目に逢いたくなかったら、早く退散したほうが身の為ですよ。


周りの人の何人かは警察を呼んでいるみたいですし」ギロッ




DQN2「ってめ!!」



DQN1「おい行くぞ!さっさと離れるんだよ!!」ダダダ




身体の各所を抑えながら男二人はそそくさと逃げていった




それを確認し


紫苑は両腕で絵里を抱き締める




紫苑「ごめん…!僕がもう少し早く来ていれば……


君にあんな思いをさせずに済んだのに…」ギリッ




絵里「ううん。元はと言えば、早く来過ぎた私が悪いの。


紫苑のせいなんかじゃないわ」クスッ




紫苑「絵里…………」




絵里「ありがとう、紫苑………助けてくれて…//////」




紫苑「…………ああ////」




紫苑は絵里を抱いている腕を解く




紫苑「とりあえず座ろうか」




その言葉に頷いて、先程のベンチに座り直す二人




紫苑「早く来過ぎたって、一体何時にここへ来たの?」



絵里「9時半くらい、かな?」ニガワライ




紫苑「………ホントに早いな。

僕も早めに出てきて正解だったよ……


まさか絡まれてるとは思わなかったから。

日本にも居るんだね、あんな風にガラの悪い人間は」




絵里「さっきのって、もしかして合気道……?」



紫苑「そうだよ。


恥ずかしながら見ての通り、僕は腕っぷしが強くはないからね。

自分より力のある人間と対峙するには、合気道が最適だったんだ」




絵里「そうなんだ……」




かっこよかったなぁ………////



と、心の中で改めて惚れ惚れする絵里




紫苑「とりあえず、そろそろ中に入ろうか?

もう10時だ」スッ




絵里「ええ」



先に紫苑が立ち上がる




紫苑「はい、どうぞ」クスッ




そして、いつものように絵里に手を差し出してくる




絵里「…………ん///////」ギュッ



絵里はその手をぎゅっと握って立ち上がった




そして二人は手を繋いだまま、モールの入り口へと入っていく
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