小説

□新入部員
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『♪ねぇ、神様お願い。二人だけのドリームタイムください♪』


歌詞をど忘れした唯のサポートに澪が入り、二人のツインボーカルでライブは続いていた


観客新入生達も盛り上がり体育館は熱気に包まれている



そして




『『みんなありがとーーーーっ!!!!』』




唯と澪が同時にお礼を叫び軽音部のライブは大成功で飾られ終わりを告げた















「中々の好感触だったな!!」



四人は舞台裏で着替え身なりを整えながら客席に戻ってきていた



「盛り上がったねっ!!!」



「ふふ、そうね」



唯とムギは互いを賞賛し合いライブを振り返っていた



そんな中




「……………?」




「どーした澪?キョロキョロして」



澪は体育館内を見回していた



「いや……紫苑さん、いないから……」



「おぉ?早く『頑張ったね。お疲れ様』って言われたいのか〜〜?このこの〜」



律は一部の声色を紫苑の声に似せて言い、澪の体を肘で小突いてからかった



「狽サっ……そんなんじゃないっ!!!/////」



たしかに体育館の中には見渡す限り紫苑の姿はなかった



そこでまたアナウンスが響く



『さあ!!続いては本日限りのスペシャルユニットによるステージです!!!」



澪達も含め会場の全員がステージに集中する



『どうぞっ!!!』



緞帳が上がる




するとそこには













「博苑さん!!!!」



「狽ウわちゃんに他の先生達もいるよ!!!」



ステージ上には真ん中に紫苑、そのサイドにさわ子や数人の先生方が楽器を持って立っていた



紫苑の端正な容姿を見た新入生達は一斉に甲高い声をあげた



「「「狽ォゃああああっ!!!」」」



突然の歓喜の声に澪達は耳を手で塞いだ



そして紫苑はマイクを握り



『新入生の皆さん。ご入学おめでとうございます。僕達も皆さんの入学を嬉しく思い、歌のプレゼントで祝おうと思います。聞いて下さい。曲名は………』





そこでゆっくりと前奏が始まった





『メルト』





紫苑が初めて自分達の前で歌う姿に澪は魅入る




『♪朝目が覚めて……真っ先に思い浮かぶ…君の事…』



ただでさえ綺麗な紫苑の声が歌声に昇華することによってさらに透き通るような囁きになる



観客は聞き惚れ紫苑の声に魅了された




もちろん澪も……






「♪メルト、溶けちゃいそうだよ……好きだなんて絶対に言えない……」




それを見ていた軽音部も感嘆の声を漏らす




「ほわ〜〜……紫苑さん声きれーーっ……」



唯が完全にめろめろになったような声色で言う




「たしかになーー…!!」




「癒されるわね〜〜」




律と律も紫苑に感嘆の声をあげる



そして澪は



「紫苑さん……/////」




―格好良すぎるよ…///



すっかり紫苑の声に聞き惚れ、目を輝かせていた




『♪だって……君の事が…』




そして一瞬楽器の音が途切れたかと思うと




紫苑が囁くように……














『好きだよ』






その囁きを聞いた瞬間




「「「這狽ォゃあああああっ!!!!!///////」」」




爆発的な歓声があがる


頬を染める者


紫苑に見とれる者


声に聞き惚れる者



揃って黄色い悲鳴を発した




そして曲が終わった……






『ありがとうございました。新入生の皆さん、高校生活楽しんでくださいね』




その言葉を最後に紫苑達のライブは終わった






そして新入生歓迎会も幕を降ろした




はたして澪達軽音部の新入生の行方は……?
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