小説2
□第8話 ハロウィン
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花陽・凛「わああ!!」
真姫「もうすっかり恋人同士ね」
絵里「……………/////////」カアッ
デートの翌日
放課後の部室で、絵里は昨日撮ったプリクラをメンバーに見られていた
希「えりちも成長したんやね〜。
これなんてほっぺにチューしてるし」ニヤニヤ
絵里「わざわざ言わなくてもいいわよ…!////
我ながら大胆な事したって思ってるんだから……//////」
穂乃果「でもこうして見ると紫苑くんと絵里ちゃん、やっぱり美男美女カップルだよね〜」
海未「周りの注目を浴びたんじゃないですか?」
絵里「まあね……………特に紫苑は女の子達の視線には鈍感だから………」
にこ「妬いちゃったわけね」
絵里「Σ違うわよ!/////」
ことり「それでそれで、他にはどんな事をしたの?」
絵里「え?えーっとね………
あ、待ち合わせしてたらちょっと不良っぽい男性に声をかけられたんだけど……」
凛「ナンパ!?」
穂乃果「ナンパだね!」
海未「ナンパですね。ハレンチな」フンッ
絵里「ま、まあ、そんな感じね…」アセッ
詰め寄ってきた凛と穂乃果を制して話を続ける絵里
絵里「断っても断ってもしつこく付きまとわれたから、強引に逃げようとしたんだけど………
無理矢理腕を掴まれて、動けなくなっちゃったのよ」
花陽「それで!?」
真姫「ど、どうなったのよ!」
絵里「な、なんでそんなに食いついてくるの…!?
もうどうしようもならないと思った時に紫苑が来てくれたの…////」
μ's「おおおおお!!!」
にこ「展開は読めたけどね」
希「そんで紫苑くんがナンパ男を撃退した、いうことなん?」
絵里「ええ。ざっくり言えばね。
その方法が合気道だった事に驚いたの」
穂乃果「合気道?」
海未「紫苑は合気道が出来るのですか!?」
絵里「そうみたい。
実際私の目の前で男二人を片手で投げ飛ばしてたからね」クスッ
凛「凄いにゃ〜…………」カンシン
花陽「絵里ちゃんにとっては、本物の王子様みたいな人だね」
絵里「…………っそ、そうね………////////」カアッ
すると
紫苑「やあ、揃ってるみたいだね」
紫苑が部室に入ってきた
絵里「………………っ」カアアアアアッ
紫苑「……………ほら、絵里。
前みたいな事になってるよ?」クスッ
絵里「だ…………だって…………////////」ドキドキ
以前の告白した翌日と同様
絵里はまともに紫苑の顔を見られず
視線を泳がせるばかりになっていた
凛「絵里ちゃん、また緊張してるの?」
希「告白の時より今の方がガチガチやよ?」
絵里「そんなこと言われても……
なるものはなるのよ……///////」
ことり「こういう所はちょっと海未ちゃんと似てるよね」
穂乃果「うん!確かに」
海未「私のは必要以上の注目を浴びるのと、ハレンチな行為が嫌なだけです!!
嫌悪であって照れているわけではありませんよ!」ウガー
にこ「……………その理屈で考えると、絵里のコレは注目による緊張じゃないわよね」
希「そやね。えりちは視線には慣れてるし」
花陽「じゃあ………まっ、まさか………!」ワナワナ
凛「え、えええ絵里ちゃん!!
紫苑くんとハレンチな事をしちゃったのぉ!!?/////」ガタッ
凛の発言を皮切りに
全員が立ち上がって絵里に目線を集中させた
絵里「Σっち、違うったら!
勝手に決めつけないで!///////」カアアアッ
紫苑「クスッ、そうだよ。
そんな大袈裟に解釈する必要はないから」
穂乃果「なぁーんだ、そうなの〜?」ストッ
意気消沈とばかりに着席していくメンバー
絵里「そうよ。
キスくらいでそんな……………」
紫苑「…………あ、絵里」
絵里「えっ?
………………あ!//////////」ハッ
穂乃果「Σきっ…………」ガタッ
μ's「Σキスううううううううう!!?」ガタガタガタッ
先程よりも慌ただしく席を立ち
今度は絵里に詰め寄っていくメンバー
絵里の隣では紫苑が少しだけ照れた表情で苦笑いを浮かべている
紫苑「あーあ…………」ニガワライ
穂乃果「ききき、キスしたの絵里ちゃんっ!?////」ガシッ
絵里「いやっその……っ////////」カアッ
にこ「したのよね!?
昨日のいつ!?
どこで!?
何回!?」ズイッ
絵里「まっ、待って!待ってったら!//////」
希「どんな感じやったん?
紫苑くんとのKISSは〜?」ニヤニヤ
絵里「何よその発音の良さは!!
そんなこと言わないわよ!/////」
凛「じゃあ紫苑くんに聞くにゃ〜っ!」
紫苑「えっ?僕?」
ことり「絵里ちゃんの唇………どんな感じだったの!?/////」ワクワク
絵里「Σちょっ!!////////」アセッ
紫苑「ああ…………
柔らかくて気持ち良かったかな……////
あと、甘くて美味しかった」クスッ
絵里「Σなぁっ………!!?///////
ななな、何よその言い方は………っ//////////」ドキドキ
凛・花陽「おおおおー…////」
真姫「表現が生々しい………///////」
海未「はははは、ハレンチですううううっ!!!////////」
部室内はすっかり無秩序になり
絵里と紫苑の話題に興味津々なメンバー達であった
紫苑「はいはい。
とりあえず絵里を弄るのはそこまでにしてあげて。
君達に話があって来たんだから」
絵里「はぁ…………なんだか一気に疲れたわ……/////」
一同は一旦席に座る
紫苑「3日後、秋葉原でハロウィンイベントが開催されるのは知ってる?」
穂乃果「うん。
3日間仮装したりパレードがあったりするお祭りだよね」
紫苑「そう。そのハロウィンイベントの最終日で歌ってほしいっていう依頼が来たんだ。
厳密にいえば今から6日後だね」
真姫「この前のファッションショーといい、最近こういう話が多いわね」
希「それだけμ'sの名前が売れたって事やね」
海未「はい。光栄な事です」
紫苑「基本的にはいつも通り。
ステージとなった大通りで歌う事は変わらない。
けど前のファッションショーとは違う所がある」
絵里「違う所?」
紫苑「今回のイベントには【A-RISE】も参加する予定だ」
μ's「Σーー!!」
【A-RISE】の名に表情が強張る9人
紫苑「当然、観客として見に来る人達は2つのスクールアイドルを比較するだろう。
早い話、このライブによる世間の評価で
ラブライブ最終予選の期待度が決まる」
想像以上の重要な話にメンバーは硬直した
真姫「最終予選の前哨戦ってわけね………」
花陽「遂にあの【A-RISE】と………!!」アワアワ
紫苑「曲目やダンスはいつも通り、君達に任せる。
加えて、今回はある意味で君達【μ's】の本質を知る最適な機会かも知れないね」
穂乃果「私達の………」
海未「本質…………ですか……?」
意味深な紫苑の発言に軒並み首を傾げるメンバー
紫苑「ああ。
けど、あまり深く考える必要はないよ。
とりあえずは6日後に向けて練習しないとね。
いつも通り着替えたら屋上においで」ガチャ、バタン
紫苑が部屋から出ていき、部室が静かになる
絵里「μ'sの本質……?
紫苑は何を………?」
花陽「私達のライブに関することなのかな…」
凛「そもそもホンシツの意味が分からないにゃあ!!」
希「まあまあ。とりあえず着替えよ?
紫苑くんも深く考えなくていいって言ってたやろ?」
凛「うう〜…………そだね〜」
穂乃果「…………本質かあ…………」
メンバーは各々独自の考えを頭の中で思い浮かべるが
これといってしっくりくるものはまだ出てこなかった
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