小説2

□第6話 ショータイム
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現在、穂乃果、海未、ことりの3人は修学旅行のため


三日間練習には出られなくなっていた


リーダー不在の中、誰を代理役にしようかという話になっているのだが……






凛「Σっえええーっ!?凛がリーダーッ!!?」ガタッ



紫苑の都合で、練習休みの放課後



1年生の教室で声を張り上げた凛




絵里「ええ。ここにいる5人はみんな同意見よ」



花陽「凛ちゃんが1番リーダーとして輝けると思う!!」



真姫「穂乃果と似てるところもあるし、適役じゃない」



凛の自席の周りに残っているメンバーが集まって

今後三日間の方針を決めている最中であった




凛「で………でも凛………中心に立つようなタイプじゃないし………」




にこ「何を言ってるの。

ステージに立った時点で主役は自分自身!

μ'sに中心も脇役もないわ!」




希「それにさ、いつかは凛ちゃん達の世代がμ'sを背負っていかなきゃならない時が来るんよ?」




絵里「その時の練習として、どう?凛」




凛「……………………」





まさか自分に白羽の矢が立つとは思ってもいなかった凛



だがふと考えたのは1年後、2年後のμ'sの姿




そこには絵里も、希も、にこも



穂乃果も、海未も、ことりもいない




先の見えない未来ではっきりしているのは


必ず自分達1年生が残るという事だけ





だったら





凛「…………………うん、分かった!」




花陽「凛ちゃんっ!」パァァァァ



凛「やってみるよ!リーダー!!」




真姫「凛……!!」




にこ「やっと決断したわね」




花陽「私達も出来る限りフォローするからね!

一緒に頑張ろ!!」




凛「うんっ!」




ようやくこれからの先導者を決め終わり


一息ついた6人




そこに





紫苑「………あっ、ここにいたか」




教室の入口で聞き慣れた声がして振り返る6人




凛「紫苑くん!」




紫苑はそのまま教室に入って近づいていく




絵里「どうしたの?」




紫苑「さっき、学校に連絡があって……」







********************






μ's「ファッションショーでライブ!?」




紫苑「ああ。明後日秋葉原で行われる若者向けファッションショーのゲストとして、出演してほしいそうだよ」




真姫「随分な突飛な依頼ね………」




紫苑「ラブライブ予選突破をした影響だね。

もうラブライブ自体の知名度は相当なものになってるらしいし、特に若い世代の関心は絶大だ。

だから、君達に要請が来たんだろう」



花陽「でも、曲はともかくとして………

衣装が………」




紫苑「その辺りは流石に服飾関連のイベント……

あちら側の人が用意してくれるみたいだよ」




凛「もう準備万端って感じにゃ……」




紫苑「とりあえず決めなきゃいけないのは穂乃果の代わりに立つセンターだ。


今回はゲストとして呼ばれてるから、曲の前に簡単な挨拶をしてもらわないといけない」




凛「Σっえええーっ!?」ガタガタッ




紫苑の発言に思わず立ち上がってしまう凛




紫苑「ん?あ、もしかして今センターを決めてる最中だったの?」




希「そう。それで凛ちゃんになったんよ」




紫苑「なるほどね。やっぱり凛になったか」




凛「紫苑くんも凛にするつもりだったのーっ!?」




紫苑「まぁ、一番リーダーシップのある絵里を選ぶ選択肢もあったけどね。


それより今回は1年後2年後を見据えての人選かな。


1年生の中では凛が1番それらしいし」




凛「そ………そうかなあ………?」ウーン




紫苑「クスッ………気を楽にしていけばいいよ。

今回は予選の時みたいに張り詰めた緊張感のある所でもないから」




真姫「でも、モデルと一緒にステージに立つんでしょ?」




花陽「何か気後れしちゃうよね………」




希「特に…………」チラッ




にこ「………なんでこっち見てんのよ」ジロッ




希「べっつに〜?」ニヤニヤ




紫苑「………?

なんで気後れする必要があるの?」キョトン




μ's「えっ?」





紫苑は本当に意味がわからないといったような表情で尋ねた




紫苑「僕の視点から言わせてもらえば、君達もモデルのようなものじゃないか。


見た目とか華やかさは引けを取ってないと思うけど?」




しれっと述べられたジゴロ発言に

6人は頬を染めた




真姫「こ、こういう事をあっさり言うから……////////」




にこ「これでモテてないって言い切るんだものね……///////」



絵里「ある意味、女の敵よね……/////////」カアアアッ




紫苑「………??」キョトーン




そこに





先生1「おっ!いたいた!蓮条先生、ちょっと手伝ってくれないかな?」




教室の外から3年の学年主任が紫苑を呼びつけた



紫苑「あ、はい。なんで……」



先生2「蓮条先生いるー?この資料なんだけどー」ドタバタ



先生3「紫苑先生っ!大至急お願いしたい事があるんだけどー!」ドタバタ




次から次へと教室へ押し寄せる先生方



あっという間に紫苑は周りを囲まれた




紫苑「わ、ちょっと、すぐ行きますから……
とりあえずこっちの用を済まさせてください」アセアセ




その紫苑の物言いに渋々教室の外へと退却する教師陣




紫苑「…………はあ」




絵里「もしかして、今日の練習に来れないのはこれが原因…?」




紫苑「………そう。どうも最近、先生方の仕事を手伝わされる事が多くなってね……


ここの所は君達に掛かりっぱなしだったからそれが溜まってるみたいなんだよ……」ハァ




にこ「それ押し付けられてるんじゃないの!?」



花陽「た、大変じゃないですか……?」




紫苑「ん?ああ、仕事の内容自体は楽なものばかりだよ。問題はその量」




希「楽なものって…………


先生達、凄い難しそうな顔して書類見てるけど…」




真姫「それを楽と言い切っちゃううちの指導係はホント、とんでもないわね」




紫苑「というわけで僕は職員室に戻るよ。決める事決めたら今日は帰ってもいいから。


…絵里は帰り、どうする?今はまだ外明るいけど……」




絵里「ううん、待ってる。一緒に帰りましょ」




紫苑「………了解。それじゃあね」スタスタ




紫苑が教室から出た途端に群がってくる教師達



それを苦笑いで受け流しながら、迅速に書類を処理し始める紫苑




その姿を傍目で見送る6人




にこ「改めて言うけど………スペック高過ぎでしょ!!」




絵里「出来すぎるっていうのも、問題ね」クスッ






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