小説2

□第4話 中間考査
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ついに明らかになったラブライブの予選の日時


今から2ヶ月後、東京地区のスクールアイドルが一斉にライブを行い


それを見た視聴者による投票で
上位4組が最終予選へと駒を進めることが出来る




とりあえずの目標は、この一次予選突破



だが、μ'sの前に思わぬ壁が立ちはだかるのであった






*******************





明くる日の放課後



突然、理事長に呼び出せれたμ'sメンバー




全員で理事長室に向かう途中




穂乃果「大事な話って何かなぁ?」



海未「流石に廃校関連の危機はないと思うのですが…………ことりは何か聞いていませんか?」




ことり「ううん、何も………」




絵里「とにかく、行ってみないことにはわからないわね」



前を歩く4人に対し、後列の1年生組は悲痛な顔をしている者が約一名




凛「うぅ…………もうちょっとで中間考査だにゃあ……………」ドンヨリ




真姫「前も赤点ギリギリでヤバかったけど………どうやら今回も相当崖っぷちみたいね」



花陽「まぁまぁ凛ちゃん。また勉強教えてあげるから……元気出して、ね?」




希「でも正直な所、ダンスとかの練習した後に家に帰って勉強するのは相当苦労するよね。体力のある凛ちゃんですら手につかないようやし」



真姫「いや、希………」




花陽「凛ちゃんは単純に勉強が嫌いなだけなの……」ニガワライ




希「あ、そういうこと?」




凛「嫌にゃあ〜〜………テストなんて無くなればいいのにぃ〜〜………」ガックリ




海未「何をぼやいているんですか。さあ、着きましたよ」



9人揃って理事長室の扉の前に並び

穂乃果が全員と顔を見合わせて頷き合う



そして意を決し、ノックをした




理事長「どうぞ」




穂乃果「失礼します!」ガチャッ



先に穂乃果が入り、その後に続いて
他のメンバーも入室する




理事長「ごめんね、わざわざ来てもらって」




紫苑「お疲れ様」




紫苑は理事長の傍らにある来客用の椅子に腰掛けていた




にこ「Σ紫苑!?あんたここにいたの!?……ってヤバ………理事長の前でこんな口調は……!!」アセアセ




理事長「ふふふ、構わないわよ。敬語無しで話す事に関しては私も聞いているから」



絵里「………あの、それで理事長。お話というのは……?」




絵里が口火を切り、呼び出された要件を尋ねる




理事長「さっき紫苑くんには説明したんだけど…………」




紫苑「少なくとも、君達にとって良い話では無いよ。残念ながらね…」




真姫「えっ?」



花陽「ど、どど、どういう事……!?」




紫苑「………まず、大まかにこれから起こり得るかも知れない事を伝えようか」




メンバーは不穏な空気を感じ息を呑む






紫苑「最悪、君達はラブライブどころか、予選にすら出られない可能性がある」






端的に告げられた言葉





メンバー全員茫然自失とし、虚ろな目で紫苑を見つめる事3秒




μ's「ΣΣΣええええええぇぇぇぇっっ!!?」




物理的に学校を震えさせそうな絶叫が轟く



メンバー全員もれなく動揺し、落ち着きを失ったように体をビクつかせていた



穂乃果「なっ、なんで!?私達何か悪い事しちゃったの!?」アセアセ




にこ「ま……まさかラブライブの主催者側からこの時点で実力が見合わないため、出場権を剥奪するとか!?そんな感じなの!?」ワナワナ




ことり「Σええーっ!!?そ、そんなぁ……」





紫苑「とりあえずみんな落ち着いて。あくまで最悪の場合だ。これを回避するための条件はちゃんとある」




希「条件………?」




紫苑「そう。その条件は………」




花陽・にこ「その条件は…………!!?」ドキドキ





紫苑「3週間後にある中間考査で全員が点数を上げる事」




μ's「………………………………え?」





紫苑の言った条件と、ラブライブ出場停止とどう関係がするの?



といった表情を見事に全員がした




紫苑「ここからは順を追って説明しようか。

そもそもスクールアイドルっていうのは、部活ではなく広告塔として、その学校の宣伝の為に活動してるものが大部分なのは知ってるよね?」




絵里「ええ………私達もそうだもの」




紫苑「それがちょっと教育委員会の方で問題になっているみたいなんだよ…………

どこかの企業を通してお金を稼ぐみたいな正式なものじゃないけど、君達はアイドル。


学校外での活動は本職の人とそう変わらない事をしてる。


部活でもなく仕事でもない…………



つまり教育委員会ではスクールアイドル活動を稚拙な遊びと捉えてる人が少なくないんだ」





海未「あ、遊び………!?」



にこ「遊びですって!!?誰よ!そんな事言ってる奴っ!!」ウガー



凛「に、にこちゃん落ち着いて」ドウドウ




穂乃果「でもにこちゃんが怒りたくなる気持ちも分かるよ!どうしてそんな風に思われてるの!?」




紫苑「……どうやら発端は最近の日本学生の学力低下に起因してるらしい。


わかり易く噛み砕くと……



そんな風に遊びに精を出しているから勉強しなくなって頭が悪くなっているんじゃないか?


という考えの様だね」





絵里「それを今回の中間考査で調べる、って事ね」




希「業腹やけど…………どうもやるしかないみたいやな」




海未「用は私達の成績が落ちていない事を中間考査で証明すればいいのでしょう?」




真姫「まあ………やって出来ないことはないわよね、私達は。…………問題は」チラッ




真姫を筆頭にとある3人へと視線を向けるメンバー




凛「うっ………」



にこ「ううっ…………」



穂乃果「ううううぅぅぅ…………」




真姫「この3人よね」




μ's内でダントツの馬鹿っぷりを誇る凛、にこ、穂乃果




当面の課題はこの3人の成績を上げることで固まりそうであった



紫苑「まあ、3人の事もそうだけど、成績の良い他の皆もこの中間考査でガクッと点数が落ちていたら、先方に良い目では見られないだろうから、目指すは全員の成績向上という事になるだろうね。当たり前だけど追試、赤点は論外だよ」




理事長「残り3週間後で飛躍的に学力アップをするのは大変だろうけど、その教育方法も紫苑くんに一任したから、彼の支持に従ってね」




頷くμ's




紫苑「早速今日から始めるよ。基本的に全員まとめて部室で教えようと思ってるから」スッ



紫苑は立ち上がって、理事長室を出ていこうとする




紫苑「先に行って準備をしておくよ」ガチャッ、バタン




静寂が訪れる室内




穂乃果「…………や、やるしかない」




凛「う、うん!嫌だけど、勉強凄く嫌だけど………」




にこ「ラブライブのためラブライブのためラブライブのため………」ブツブツ




海未「理事長の目の前で勉強への嫌悪は表さない方が……」アセアセ



希「動機も不純やしね」




絵里「とにかく。今回は成績優秀者も気を引き締めないとね。いつも以上に励みましょう」




理事長「ふふふ、応援してるわ。私もあなた達が歌う姿が見られなくなるのは残念だもの」




穂乃果「よおーっし!絶対テストで良い点取ってみせるぞーっ!!」




μ's「おおぉぉーっ!!!」




理事長「あらあら、若いわね」クスクス




μ'sは意気込んで理事長室をあとにした




理事長「…………でも、あの子達わかってるのかしら………万が一ラブライブに出場出来ないって事になったら………」




理事長の心配はもうひとつあった



その事にまだμ'sのメンバーは誰一人として気づいてはいない






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