小説

□新入部員
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ついに新入生歓迎会の日がやってきた


桜ヶ丘高校はきらびやかに色付き華やかになっている

体育館には昨日入学した新入生が続々と入って来ていた


他の部活は徐々に舞台発表を終え、ついに軽音部の順番が回って来た




「またこんな衣装着るの!?/////


俗に言うゴシック&ロリータのような格好をした澪が羞恥心全開で叫んだ



「我慢しろっ!!これも部員確保のためだ」



「律っちゃん!!私この服好きっ!!


澪とは正反対に唯はこの衣装を気に入っていた


「はいはい……



「皆さんかわいらしいですよ」


ムギは相変わらずニッコリとした笑顔だ



軽音部がそういった緊張をほぐす会話をしていると




「いよいよ次だね」




舞台裏の扉を開けて紫苑が入って来た




「「「「紫苑さん!!!!」」」」




四人は声を合わせて紫苑の名を呼ぶ




「澪はどう?相変わらず緊張してる?」



「は…はい…



二回目とはいえ慣れないライブ前の緊張感に澪は苛まれていた



「クス……まぁこればかりは緊張するなとは言えないよね。慣れが必要だから」



「澪の場合、慣れるまでの道のりが限りなく遠そうだな!!!」



律がちゃかすように言う



「なんだとぉっ!!!!」



澪も顔を赤くしながら律に反発する


そんな様子を見て紫苑は



「うん、大丈夫そうだね」




「何がですか?」



ムギが紫苑に問う



「緊張だよ。あんなやり取りを見てると気分が楽にならない?」




「ふふふ、たしかに」




「澪ちゃんと律っちゃん楽しそーーっ!!!」




すると









『お待たせしました!!続いては軽音部のライブステージです!!!」





とアナウンスが流れた





「みんな、ライブの時は新入部員の事は忘れて、ただ楽しめばいいからね」




紫苑が四人の顔を順番に見渡しながらアドバイスをした




「「「「はいっ!!!!」」」」




元気いっぱいに返事を返して舞台の立ち位置に着く





「頑張って」





舞台袖から紫苑が四人に聞こえる程度に言うと、四人は紫苑の方を向いて頷いた




それを確認した後紫苑は静かに客席へと戻った






そして緞帳が上がる






「いくぞ……!!」
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