小説
□ケガの功名
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「蒼破刃!!!」
ユーリの放った衝撃波が魔物を直撃し、消し去る
「お……おっさん…もう限界…」
「ばててんなよ、おっさん!もうちっと踏ん張りな!!」
大量にいた魔物も残りわずかになっていた
「これで最後よ!落月爪!!!」
ジュディスが最後の魔物を倒し戦闘は終了した
「つ……疲れたぁ…!!」
カロルがその場に座り込んで嘆いた
「誰よ……ダークボトル使ったのは…」
リタも言葉に若干の怒りを混ぜながらぼやく
「すまん、うちのクリティカル・モーメントの効果じゃ」
「あの……運任せの術ね…」
ジュディスは息を切らせて言う
一行の目的はカプワ・ノールの街道からハルルヘ向かう事だったのだが、途中の戦闘でパティがクリティカル・モーメントを発動してしまった
その効果がダークボトルだったのだ
おかげで一行は戦闘を行う度、大量の魔物と戦うはめになってしまっていた
「パティちゃん……おっさんを殺す気……?」
「おっさんは殺しても死なないから大丈夫じゃ」
「よし、そろそろ休憩は終わりだ。出発するぞ」
「もっ……もうですか!?」
エステルが驚いた表情でユーリを見る
「また魔物に襲われたら面倒だからな」
「そうね……さっさとハルルにいくわよ…」
カロルやリタ、エステルにレイヴンと疲労は限界に達していた
もちろん、ジュディスも
「いくぜ」
そして再び一行はハルルヘ向け歩を進め始めたが、やはりダークボトルの効果は切れず
「狽トっ…敵だ!!!」
カロルが叫ぶ
それに応じて仲間達も戦闘態勢を整えて、武器を構える
「ちぃっ!みんないくぞ!!」
1番体力のあるユーリが率先して敵の中ヘ飛び込んでいく
「牙狼撃!!!」
剣と拳で敵をダウンさせ、そこに
「蒼牙刃っ!!!!」
力ずくで剣を叩き込み魔物を消滅させる
そんなユーリの姿に触発されるように仲間達も戦闘を開始する