小説

□合宿編
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桜ヶ丘高校

放課後

「……私が1番最初か…」

澪が呟きながら、音楽室に入ってきた

「……ボーカルかぁ……、学園祭でライブ……私達の実力で大丈夫かなぁ……」

椅子に腰掛けて背もたれにもたれ掛かりながら嘆いた

「……ん?」

そうしていると、食器棚の上になにやらダンボールを見つけた

「…なにこれ…?」

中には小さなテープレコーダーが入っていた

そこに

「あれ………澪?」

「煤\ッ!?しっ…紫苑さんっ!?///」

紫苑が音楽室に入って来て澪に呼びかけた。澪は反射的に持っていたテープレコーダーを後ろ手に隠し、紫苑に向き直った

「(昨日の今日だから…なんだか余計に恥ずかしいっ……///)」

「早いね。いつもこのくらいに来るの?」

紫苑は澪に向かって歩きながら話し掛ける

「狽「っ…いえっ!今日はたまたま私が1番早かっただけで……

澪はあたふたしながら、紫苑に言葉を返す

それを見た紫苑は

「緊張し過ぎ……それじゃあボーカルなんて務まらないよ?」

「狽ヘっ……はい!」

澪はビシッと姿勢を正して言った

「クス……まあ今は、それでいいか……ところで澪」

「え…?」

「さっきから後ろ手に何を隠してるの?」

紫苑が最初から見抜いていたかのように指摘し、またしても澪はあたふたしてしまう

「あの……えっと…

視線を泳がしながら口ごもる澪を見て、紫苑は

「澪は本当にかわいいね…」

「………這狽モえっ!?//」

一瞬何を言われたのか分からず、反応が少し遅れてしまった

「かっ……かかか……///」

澪がうろたえていると、手に持っていたことを失念していたのか紫苑が

「…テープレコーダー?」

手をせわしなく動かしていた澪に聞いた

「あ……はい…、音楽室にあったんです…」

「聞いてみたの?」

「まだですけど……」

「じゃあ聞いてみようか。もし中身が昔の軽音部の演奏だったら、ライブの参考になるかも知れない」

「そ……そうですね」

澪は、音楽室に紫苑と二人切りという状況に、既に、頭が沸騰状態だった






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