小説
□澪の恋
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時間は放課後
桜高校校門前
「……ここか……」
1人の青年が校舎を見上げて呟いた
「まぁ、さわ子さんの頼みだし………行ってみるか……」
青年は学校内へ足を踏み入れた
桜高校音楽室
「ムギちゃ〜ん……今日のおやつなぁに〜〜…?」
おっとり系の少女平沢唯が机に倒れ込みながら言った
「はい、唯ちゃん。今日はモンブランよ」
小麦色の髪をした天然系少女琴吹紬が答えた
「ぅおぉっしゃっ!!やっぱおやつ食べないと気合いと元気が入らないぜっ!」
活発なボーイッシュ系少女田井中律が叫ぶように喜んだ
「………こいつからおやつとドラム取ったら何が残るんだろう……?」
そして、黒髪長髪のツッコミ系少女秋山澪が呟いた
「失敬だな澪ぉ!私にだってドラム以外に取りえくらいあるわいっ!」
「ほぉ……なんだそれ?」
「この完っっ璧な美貌!!」
自信満々に胸を張って言い切った
「お〜い。練習始めるぞ〜」
「……スルーっすか」
この風景が桜高校軽音部の日常である
そして、物語はこの一言から始まる
「あぁ〜…でもやっぱぁ……ちゃんとした顧問が欲しいよな〜〜」
軽音部部長田井中律が嘆いたこの言葉は、その日の内に叶うことになる……
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