小説

□比企谷八幡の受難
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文化祭の後

比企谷達は打ち上げに向かった

最後はライブハウスで盛り上がり
今はそれぞれ身支度を整え、帰る用意をしている

小町「いやぁ、結衣さんと雪乃さん!すっごくステキでしたよ〜!!」


由比ヶ浜「えへへ、ありがとー小町ちゃん!!」


平塚「うむ。心無しか、文化祭の時よりも息が合っていたように思えたな」


陽乃「やっぱりぃ…彼が見ていた影響かな!?」ニヤニヤ


雪ノ下「何を言っているの。比企谷くんが見ていようといまいと、私のやることは変わらなかったわよ」

陽乃「あれえ、私比企谷くんなんて一言も言ってないんだけどなぁ〜」ニヤニヤ


雪ノ下「…………」ムッ


八幡「………さっきからなんなの?俺に対しての陰口ですかねぇ…」


陽乃「やー違うよ比企谷くん!比企谷くんはみんなの緊張を解すのが上手いなあって、言ってただけだよ?」


八幡「……ていうか、俺を目の前にして緊張する人間なんていないでしょ。存在を忘れられるんだから緊張もクソもないって感じですよ」


陽乃「またまたあ!ねぇそれで?さっきの雪乃ちゃんのライブ、どうだった!?」


雪ノ下「……………」チラッ


八幡「どうって…………まぁ、良かったです、凄く」


陽乃「ええ〜それだけぇ??」


……………全くこの人は


八幡「……なんて言うか……俺にはとても真似出来ないな、って思いましたよ。
歌いながらギター弾くとか………Fコード押さえられなくて断念した俺とはレベルが違うって感じです」


あんなに堂々と輝かしい舞台に立てるってのもな
日頃日陰で暮らしてる俺には到底無理な話だ


陽乃「ふぅん………それで?」ニヤニヤ


…………この女引っ叩きたい


はぁ…


八幡「改めて………その、綺麗な歌声だなと………」


これが正直な感想だ

丸々一曲聞いた時は素直に感動した

重なる旋律に心地良さをも感じた


雪ノ下の歌声にドキッとしたりもした


俺の回答に姉君はようやく満足げな顔をした


陽乃「ゆっきのちゃ〜ん!!!」ガバッ


そして雪ノ下に抱き着く

陽乃「ねえねえ聞いて聞いて!!
比企谷くんってばね、雪乃ちゃんの事、すっごい褒めてたよ〜!!」


あのアマ!!
ホントに殴ってやろうか!!
できないけど!!

…っああ〜……柄にもないこと言ってなんか
変な恥ずかしさがあるわ………


と、心内葛藤をしていたら
いつの間にやら雪ノ下が近くまで来ていた

…………見たことない顔の赤さなんだが


雪ノ下「……ね、姉さんに何か変なことを言わされたようだけれど…
アレはあなたをからかって遊んでるだけだから、気にかけないで頂戴……////」


八幡「分かってるよ。ま、ただ素直に答えただけなんだけどな」


雪ノ下「っ…////そ、そう………////」


まーた赤くなりやがった……

俯いて目が泳いでるな…
全く……こいつは…


八幡「見た目が良い分、そうやってると可愛さに拍車が掛かるな……………Σはっ!?」


雪ノ下「Σっ!?///////」ドキッ!!


しっっ!!!
しくったあああああああーーーッ!!!!!!

何心の声をうっかり吐き出してんだ俺はあ!!!?
ゲダツかよ!?沼の試練か!?知るか!!

やべえよやべえよ………
また
「気持ち悪いわ。貴方の下卑た口から出た言葉を
私に吐きかけないでくれるかしら。
比企谷菌が蔓延したらどうするの?」

的な毒舌が来るぅ!!!

…………って…………あれ………?



雪ノ下「………//////////」カァァァァ//


あっか!!
顔あっかい!
今なら雪ノ下さん3倍の速さで動けそう!!


八幡「ゆ、雪ノ下……?///」ジッ


雪ノ下「あ……//////」


八幡「??」


雪ノ下「あなた何を世迷言を言っているの?////
前に怖気が走ると言わなかったかしら////
記憶力すらも危ういなんて、いよいよ末期ね……////」


………気のせいか?
暴言にいつもの迫力がないような…

そう言い放って早足で出口に向かう雪ノ下


気付けば俺が最後だった


今回の功労者達が有終の美を飾った舞台をちらりと見て

俺もライブハウスを後にした


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